Tabelog Tech Blog

食べログの開発者による技術ブログです

新米パパ、育休を取る

こんにちは、食べログWEBエンジニアの@araiguma47です。
この記事は 食べログアドベントカレンダー2022 の7日目の記事です。

カカクコムでは女性はもちろん、男性で育休を取得する人も多くおり
食べログシステム本部では7割超の男性が育休を取得しています。

私も去年の夏頃に子供が生まれたため約一年ほど育休をとらせていただきました。

本記事では育休をとるにあたり、
よかったこと、気づいたこと、アドバイスなどを思いつくままに書こうと思います。

※ 働き方などに関するカカクコムのデータに興味がある方は データで見るカカクコム を参照ください。

はじめに

そもそも私が育休を取ろうと考えたきっかけは以下の通りでした。

  • 子育ては大変らしい
  • 働かず育児をしているのにお金までもらえてしまうらしい
  • 上長から育休をすすめられた

特に当時の私のチームリーダーの女性の方が、
「育休は絶対とれ、今後の嫁との関係に超関わってくるから」
といっていたのが一番のきっかけでした。

人によっては崇高な理由で育休をとるのでしょうが、
私の場合は最初は上記のようになんとなくで育休の取得を申請した形でした。

さぁ、育休を取ろう

育休をとるにあたり、育休前にやらなくてはいけないことがいくつかあります。
私が育休をとるにあたって行ったこと、気をつけたことは以下の通りです。

上長への報告、相談

育休の取得期間にもよりますが、
長期で休みをとる場合に人が足りないのであれば採用が必要になる可能性もありますし、
チームの体制などにも影響があるので、個人的には直近の上司には早めに相談することをお勧めします。

私の場合は上長には妊娠が発覚したタイミングで情報共有し、
部長へはちょうど年が変わり安定期に入る少し前くらいの妊娠13週目に報告しました。

大きなプロジェクトがあったり、期が変わるタイミング前には今後の体制を決めていたりするので、
報告のタイミングは人それぞれだとは思いますが、可能な限り早めに報告した方が良いと思っています。

引き継ぎ

育休の日程が決まったら引き継ぎをおこなっていきました。
具体的に行ったことは以下の通りでした。

  • 自分だけが知っている知識の棚卸しを行う。

自分の詳しい知識や業務についてまずは棚卸しを行いました。
その後、どの知識をどのメンバーに引き継ぐかはそれを元に決めていきました。

  • メンバーへの情報共有

資料を作ったり、MTGを開き、私の持っている知識を順次チームメンバーに共有していきました。
メンバーに情報を共有する上で、その場で伝えられただけでは内容を理解できないことが多いので、
可能な限り後から誰がみてもわかるような資料を作り、それを元に情報を共有することことを心がけました。

また、この期間はいつも以上に他の人への情報共有を徹底する、私だけが知っている知識を増やさないことを心がけました。

  • チームメンバーにアサインするタスクを考える

タスクの締め切りなどと相談にはなりますが、知識は教えられるだけではなかなか身につかないため、
可能な限り自分の詳しい領域を別の人に担当してもらい私はサポートに回りました。

自分が担当している定常業務や自分が開発した機能の改修など、
自分が担当した方が早いし効率もいいというタスクであったとしても可能な限り別の人をアサインする方が良いと思います。

特に自分がやるべきタスクはいつも以上に何をすべきかをしっかりと考えるとい良いと思います。

同僚への感謝の気持ちを忘れずに

育休をとるということは少なからず周りの同僚に負担をかけることになるので、
感謝の気持ちは忘れないようにしましょう。

育休開始!

引き継ぎも終わり育休取得期間になったら育児の開始です!
子供は可愛いけれども、やつらは未知の生物なので、
完璧を目指さずに心に余裕を持って育児に臨みましょう。

育休中のプライベート時間

私の場合は大変とはいえ、大人二人で子供一人の面倒をみることができるので、育休中は意外と時間の余裕はありました。

我が家の場合は授乳中は特に余裕のある時間だったため、
アニメ専門のビデオ・オン・デマンド・サービスを契約して妻と一緒に過去の名作を一気に鑑賞していました。

また、子供が寝ている間もプライベートの時間となるので、
週に4,5回ほど子供の寝ている時間は運動がてら家の周りを走りに行ってました。
夜も子供と一緒に早く寝て、朝は一緒に早起きするなど、社会人になってから最も健康的な時期だったと思います。

会社との連絡

この期間は会社との交流はほぼなく、育休終了の少し前のタイミングで、

  • 育休を延長しますか?
  • それとも復帰しますか?

という確認があり、復帰するとした際に復帰に向けての簡単な面談が組まれるくらいでした。

定期的に何かしらの報告などが必要なのかと思っていたため、本当に会社と接点がほとんどなかったのには驚きでした。

私の場合は最初半年ほどの育休予定でしたが、大きなプロジェクトのリリースが落ち着いていたこともあり、 最終的には4ヶ月ほど延長をすることにしました。

男性の育児休業

食べログで働いていると、男性で育児休業をとっている人をよく見かけることと、
育児をしつつお金をもらえるという良いことづくめな制度であるため、
世の中の男性の育児率もきっと増えているのだろうなと思っていたのですが、
実際はそうでもないようでした。

地域の赤ちゃんの集いに参加した際、
30人ほどの赤ちゃんと親が集まったのですが男性で参加しているのは私1人だけでした。
また、どこへ行っても育休で長期休みをとっていますと言うと驚かれました。

なぜこれほど育休をとっている男性が少ないのかはわかりませんが、
前職の職場を思い返すに、仕事が忙しく長期間休暇をとることができない職場であったり、
会社に育休をとった前例がないために取るのが難しいのではないかと思われ、
この時は育児休業を長期で取れるカカクコムは良い環境だなと心から思いました。

親バカフィルター

子育てをしてみて感じたのが親バカフィルターは本当にあるんだなと実感しました。

今までも他人の赤ちゃんなどを見ると可愛いなと思うことはあったのですが、
自分の子供の可愛さは親バカフィルターを通すので別格の可愛さになります。

また、親バカフィルターに関して面白いのが、フィルターは過去の子供の写真にはうまく働きません。
私は我が子に関して生まれた時からずっと可愛いなと思い続けているのですが、
あとで過去の子供の生まれたばかりの写真を見直すと意外と乳児の時は髪も薄く、
思ってたより可愛くなかったな思ったりします。

親バカフィルターを通しているから我が子は可愛かったんだなと痛感した瞬間でした。

いざ、社会復帰へ!

育休が明けて久々に社会へ戻ってきた際には、以下のようなことに気をつけました。

今までの当たり前を一度疑ってかかるべし

育休の期間にもよりますが、育休から帰ってきた際いわゆる浦島太郎状態になるので、
今まで当たり前だったことも疑ってかかるのがいいと思います。
特に本番環境でルールが変わっていた場合、大きな障害を招いてしまう可能性もあるので気をつけましょう。

私の場合は、食べログではプロジェクトの進め方として
チケットワークフローというルールにそってタスクを進めていくのですが、
それが大きく変わっていたため把握するのに苦労しました。

また、自分が休んでいた間にリリースされた物、大きく変わったものは教えてもらうなり、
リリースの履歴を自分で追ってみるなりして把握するようにしましょう。

同僚の確認

育休から帰ってきた際にやると良いこととして、
自分の関わりのあるチームのメンバーの移り変わりをチェックすると良いと思います。

大きなプロジェクトのリーダーがいきなりやめていたり、ステークホルダーの人が変わっていることも多く早い段階で把握しておくと仕事の進めやすさがかなり変わってきます。

私の場合は、休みをとっていた間に退職されてしまった人がいたのに、
戻ってきてから数ヶ月ほどそのことに気づけずお別れの挨拶をする機会を逸してしまったなどということがありました。

業務知識など

長い間育休をとってしまうと戻ってきた時に勘が鈍ってしまい、
それを取り戻すのが大変なのではないかと不安に思う人もいるかもしれませんが、
私の場合は周りの助けもあり、2週間くらいしたらだいたい今まで通りの仕事を行うことができました。

長い間培ってきたエンジニアの経験は一年くらいではそれほど忘れないようです。

育休入ってよかったと思うこと

最後に、今後育休をとるか悩んでいる人の助けになるよう育休を取ってよかったことをまとめました。

よかったこと

  • 妻に感謝される
  • 子供かわいい
  • 子供の対応の仕方がわかるので、妻もいざとなったら子供を預けてリフレッシュすることが可能
  • 業務の属人化を防げる
  • 仕事の守備範囲を広げることができる。私の場合は、育休前と全く同じチームへの復帰ではなかったのですが、育休に入るというタイミングがなければなかなかチームの異動もできないのでちょうどいい機会となった。

さいごに

会社での立場や将来のキャリアプランなど人によって様々であるため、 万人に絶対育休は取った方が良いというつもりはないですが、 一生のうち今の時期しかできない子育てに深く関わることができるのはよいことだと思うので、 可能であれば育休取得はするのは個人的にはお勧めです。

「はじめに」にも書いた通り、私は当初はなんとなくで育休を取りましたが、 一人目の子供の場合は何をすればよいのか手探りで進んで行かなくてはならず、 特に最初の数ヶ月は深夜授乳などもあり妻はかなり大変な様子だったので、 妻の負担を減らすことができ、結果的に育休をとったことはよかったと思っています。

その甲斐もあってか、 出産後に愛情が夫から子どもに向くという妻の「心変わり」が原因で、 夫婦仲が急速に冷え込む「産後クライシス」という災厄が起きることがよくあるらしいのですが、 我が家の場合はそんな言葉などどこ吹く風のように幸せな家族を築けています。

育児は大変ですが、子供は可愛いです。

明日は @sadashi の「Android13(APIレベル33)への対応について」です。
どうぞご期待ください!!!