この記事は 食べログアドベントカレンダー2024 の22日目の記事です。
【はじめに】
こんにちは、はじめまして。食べログ開発本部ウェブ開発1部のシステム運用改善チームでチームリーダーを務めているame001です。
今回は、久しぶりにチームリーダーを務めた経験を振り返り、そこで得た学びや成長についてお話しします。
将来チームリーダーを目指している方や現在チームリーダーをやっているけれど不安がある方へのやり方のヒントになれば幸いです。
【チームリーダーを引き受ける前までのこと】
過去何度かリーダーと名のつくポジションに就いていたこともありますが、ここ4〜5年間は主に開発チームの一員として活動してきました。
特に、難易度の高い課題を解決するタスクフォースの中心メンバーとして、設計や開発に集中して取り組むことが多かったです。
例えば認証機能の基盤システムを構築したり、高負荷なシステムのパフォーマンスチューニングなど行ってきたりしました。
高負荷システムのパフォーマンスチューニングについては、Tabelog Tech Blogで記事化したものがありますので、興味のある方はこちらもご一読ください
→食べログの予約システムで起きた100bit問題に立ち向かう
【チームリーダーを引き受けた背景】
難易度の高い案件をこなしてきたことで、私の業務知識やナレッジが蓄積されました。しかし、その知識を他のメンバーに効果的に共有する方法が見つからず、悩んでいました。
そんな中、チーム編成が変わるタイミングでチームリーダーの打診をいただきました。
チームリーダーという立場であれば、自分のナレッジをより効果的に浸透させられるのではないかと考え、チームリーダーを引き受けることにしました。
【チームリーダーとして直面した課題】
久しぶりにチームリーダーをするにあたって、以下の課題に直面しました。
そもそもチームリーダーって何をするんだろう?
過去にもリーダーポジションに就いたことはありますが、業務に詳しいからという理由で任命されたことが多く、リーダーの役割を意識して行動したことはあまり多くありませんでした。
そこで、上長に相談したところ以下のアドバイスをもらいました。
- リーダーとしての意志を示すこと
- 発した意志をメンバーが共感できる状態にすること
- チームが自律し、一体感を持って行動できる状態にすること
これを理解するためには実際にやってみるしかないと思い、行動を開始しました。
【アプローチ】
チーム内には、塩漬けタスクの蓄積や非効率的な作業手順といった課題がありました。
これらの課題を解決する過程で「リーダーとしての意志を示すこと」「メンバーに共感してもらえる状態にすること」「チームが自律し、一体感を持って行動できる状態にすること」を実践しようと考え、塩漬けタスクを1ヶ月で全て消化する「春の大運動会」というプロジェクトを立ち上げました。
プロジェクトでは以下の3つのポイントに注力しました。
- 段取り: 作業前に必ず段取りを計画立てることを徹底し、計画不足によるやり直しや手戻りをなくすようにしました。
- スケジュール管理: 1〜2日単位での短い期間でタスクを区切ることで、進捗管理をしやすくしました。
- 作業の効率化: 作業の目的や意図を明確にし、それに基づいて手順を見直すことで、作業効率を高めました。
これらの取り組みは一見当然の事のように見えますが、実際に業務に浸透させ、継続するのは容易ではありませんでした。
過去には、慣れによるモチベーションの低下が原因で、目標を継続できなかったことが多々ありました。
この経験から、成功にはモチベーションを持続させる仕組みやサポート体制が必要だと考えました。
そこで、今回の取り組みでは以下の点に特に注力しました。
- 方針の維持: 掲げた方針とやり方をしっかりと維持することに努めました。
- 意志の共感: やりたいことや目的・進め方に共感してもらえるよう、丁寧な説明を心がけました。
- 自律と一体感: メンバー全員の意志が同じ方向に向くよう、チーム内での意見のすり合わせを密に行いました。
目的達成の手段として、すべての作業を細かく指示する方法もありますが、私が目指したのは各メンバーが自ら判断し、チーム全体で一貫した目的に向かって自律的に動ける状態を作ることです。
そのために、メンバーに意志を共感してもらう、というアプローチを取りました。
【チームメンバーの変化と成功体験】
こうした取り組みを通じて、私はチームメンバーの変化を実感できました。
仕事の進め方が明らかに変わり、何かを始める際に「段取りを決めましょうか」と自発的に提案してくれるようになり、資料から無駄な作業結果の記載がなくなり、より洗練されたものになってきました。
これらは、チーム着任当初には見られなかった動きです。
リーダーとして意志を伝え、共感してもらえることでチームが実際に変化することを実感しました。
また、チーム全体の仕事の速度や品質を向上させることができたと感じています。
前述の「春の大運動会」プロジェクトも計画では1ヶ月程での完了を予定していましたが、数ヶ月かかる可能性もあると考えていました。それにもかかわらず、本当に1ヶ月で終わらせることができました。
【リーダー着任前後のギャップ】
リーダー着任前と実際に経験してみた後では、いくつかのギャップがありました。
まず、リーダーの意志を発し共感してもらうというのは非常に大事だと実感しました。
これまでチームリーダーを務めていた時はチームがなんとなく回っていれば良いかなくらいしか考えてなかったのですが、チームの動きをこうしたいという自分の意志を共感してもらうことで、こんなにもチームは変わるのかということを知ることができました。
次に、リーダーは独りじゃないということです。
リーダーシップを発揮するには、すべてを独りで決めて進める必要があると思っていました。しかし、困ったときには上長やメンバーが助けてくれるため、一人で抱え込むことはありませんでした。周りの人と協力して仕事を進めることで、不安はなくなり、自己肯定感も高まったと感じています。
【まとめ】
着任前はリーダー業務で何をするのかが明確ではなかったのですが、実際の取り組みにおいて試行錯誤を繰り返していくなかで、意志を発し共感してもらう努力をすることで全体がうまくまわるということを実感できました。 同時に、自律し一体感を持ったチームを築くことの重要性を改めて実感しました。
また、自分の意志を発してメンバーに共感してもらい、チームが動いて改善していく過程を体感することで、リーダーとしての醍醐味を感じることができました。
この記事が、これからリーダーを目指す方々の参考になれば幸いです。
明日は weakboson さんの「CircleCI の爆速&低燃費化」です。お楽しみに!