はじめに
この記事は食べログアドベントカレンダー2025 の21日目の記事です🎄🎅🎄
こんにちは、Tabelog Tech Blog編集チームの朽木です。
食べログは今年の3月で20周年という大きな節目を迎えました。
この記念すべきタイミングで、食べログ社員を対象に 「食べログで一番印象に残ったこと」 というテーマのアンケートを実施しました。
エンジニアを中心に、営業、PM・企画、デザイナーなど多様な職種から回答が寄せられました。 在籍年数も1年未満~10年以上まで幅広く、食べログの歴史を知るベテランからも貴重な声が届いています。
集まった回答を分類してみると、大きく3つの傾向が見えてきました。
- 「困難に立ち向かう姿勢」に関するエピソード:全体の約6割
- 「自分の仕事が誰かに届いているという実感」に関するエピソード:全体の約4割
- 「飲食店に寄り添う姿勢」に関するエピソード:全体の約3割
※複数の要素を含むエピソードは重複してカウントしています。
最も多かったのは 「困難に立ち向かう姿勢」 に関するエピソードでした。コロナ禍の対応やシステム刷新、AIネイティブ化への適応など、技術的・組織的な挑戦を乗り越えた経験が強く印象に残っている方が多いようです。
実際に集まった回答を見て、自分の中にはある考えが浮かんできました。 食べログがここまで大きなサービスに育ってきたのは「飲食店に寄り添う姿勢」、「困難に立ち向かう姿勢」があったからなのではないか。 そしてその積み重ねの結果として世の中にサービスが浸透し、「自分の仕事が誰かに届いているという実感」 として返ってくる。そのことが食べログで働く人々の印象に残り、アンケートの結果に現れた。 大袈裟かもしれませんが、少なくとも私にはそう見えました。
次章からは、「飲食店に寄り添う姿勢」→「困難に立ち向かう姿勢」→「自分の仕事が誰かに届いているという実感」 の順に、具体的なエピソードと共に紐解いていきます。
目次
- はじめに
- 目次
- 1. 食べログで一番印象に残った「飲食店に寄り添う姿勢」の記憶
- 2. 食べログで一番印象に残った「困難に立ち向かう姿勢」の記憶
- 3. 食べログで一番印象に残った「自分の仕事が誰かに届いているという実感」の記憶
- アンケートを終えて
1. 食べログで一番印象に残った「飲食店に寄り添う姿勢」の記憶
全体の約3割を占めた 「飲食店に寄り添う姿勢」 に関するエピソード。その中から、苦戦するお店を救った営業、6年以上続く店舗との信頼関係、店舗からいただいた忘れられない「ありがとう」の一言、商品の魅力を伝えるために何度も議論を重ねた話──4つのエピソードを厳選してご紹介します。
提案をしてみたものの、「今はそのタイミングじゃない」「資金繰りも厳しくて、このままでは潰れそう」と言われご契約には至りませんでした。私自身も、それ以上踏み込む自信がなかったというのが本音でした。
しかし1か月後、コミュニケーションランチでお店を訪れた際、料理が驚くほど美味しく、無愛想だと思っていたオーナーの丁寧な接客にも心を動かされました。率直に「潰れてほしくないです。もう一度だけ提案の機会をください」とお伝えし、再提案へ。思いが届き、ご契約に至りました。
掲載直後はネット予約が月10名ほどでしたが、一緒にコースを考えたり、打ち出しを変え続ける中で徐々に効果が現れ、今では月99名もの送客ができています。 店舗様からも「食べログさんのおかげで続けられています」と何度も感謝の言葉をいただきました。その後、店の前を通るたびにオーナーがわざわざ出てきて、お茶やテイクアウトのお弁当を手渡しながら「これ持ってって!営業がんばれ!」と声をかけてくださるように。信頼関係を築けたことが、本当に嬉しかったです。
「食べログは、頑張っている飲食店を救えるメディアだ」そう胸を張って言える自信につながりました。
繁華街エリアを担当していた際、その店舗様よりご契約いただきました。 本来ならもっと宣伝効果の高い上位プランが適した立地でしたが、お店の席数や予算を考え、あえて手頃なプランを提案しました。 地元密着である様子をランチでの訪問や、オーナーとの会話の中で感じたからです。 +αの取り込みのために食べログをやっていただきたい旨をお伝えしてのご契約でした。
契約初月のPVやネット予約組数がエリアで平均と比べても下回っており、お叱りをいただくことを想定して初月実績の振り返りで訪問いたしました。 その際にオーナーから【思ってたより集客できたよ】とのお声をいただきました。 データには表れていない集客・実感があることを初めて営業としても実感することができたシーンでした。その後も大きく伸びることはなかったものの毎月実績をお持ちさせていただき、良好な関係がエリアを離れるまで続きました。
しかし2020年3月末よりコロナウイルスによる影響が全国で発生しました。 すでにエリアを離れていた私は当該店舗様をフォローした後任の方から【当該店舗のオーナーが、食べログはやめない。経営は何とかなっているしこれからも続けていくと仰せだった】という声を聴き安心いたしました。
コロナの影響が薄れて以降も当該店舗様へ後任が訪問するたびに、【あの時の営業の方がよい方だったから食べログを始めた。あの時の営業の方が何度も足を運んでくれて人柄に惚れて契約したというニュアンスの喜びの声】をオーナー様がお伝えくださり、契約継続期間はすでに6年以上となりました。 今では後任営業・カスタマーサクセスのフォロー、店舗様の日々の努力により、毎月安定したネット予約組数の実績が出ており、店舗様ご自身も食べログの効果に満足いただけている印象です。
食べログ営業の仕事はBtoBですが、限りなくCtoC、人と人の関係性が結果につながるものだと感じるきっかけになった出来事です。もともと自分は足と情で数字を獲得することの方が多い営業でしたが、店舗に寄り添い、契約して終わりではなく伴走していくことの大切さをメンバーや他チャネルの営業に実感を持って伝えられているのはこの店舗様のおかげです。
契約なので、とならずに「飲食店にもっと」を体現したあの判断は本当にすごいと思いました。
年間ランキングページを作ることになり、その商品の本当の魅力を伝えるために、ページ構成がどうあるべきか企画と制作メンバー全員で何度も議論を重ねた。
食べログモールは、コロナ禍で外食に行けないユーザーと、来店機会を失っているお店との橋渡し役を果たすべく運営していた。 記念日やお祝い事に喜んでもらえる逸品を揃えているからこそ、お店の代わりとなって商品の魅力をしっかり伝えることで、ユーザーに不安なく購入して頂けるように努めてきた。
その姿勢は、このランキングページでも同様だった。
ランキング上位という実績にふさわしい訴求を行うべく、丁寧な解説に美味しそうな写真を添えて、その良さを余すことなく紹介するというコンセプトに固まり、まさにそのコンセプトを具現化したページに仕上がった。 初期案の商品画像を並べただけのページと比較すると完全に別物になっていた。
実際に年間ランキングページを公開した結果、紹介した商品がお店での製造が追いつかなくなるほどの注文が入り、お店から喜びの声を頂くなどした。 購入してくださった方にも、コロナ禍でも心に残るお祝い事を過ごして頂けたのではと思っている。
※編注:食べログモールは2023年3月31日にサービスを終了しています。
以上が、「飲食店に寄り添う姿勢」 を象徴するエピソードでした。
この他にも、「〇〇さんがうちのお店に来て丁寧に説明してくれたから今のうちがあると感謝の言葉をいただいた。」 「食べログ仕入というサービスで飲食店様はどんなペインがあるのか?どんな価値提供ができるのかを探索し、プロダクトの改善を重ねてきた。その結果、今ではプロダクトが成長し多くの飲食店様、卸売業者様に利用していただけている。」 「コロナ禍突入の最初期、大変であろうお店のためにできることはないか?という観点で企画もエンジニアもみんなまとまって動いていたのが印象的だった。」 など、飲食店への寄り添いを感じさせるエピソードが多く集まっています。
回答を見てみると、職種を問わず 「飲食店に寄り添う姿勢」 に関するエピソードは集まったものの、やはり飲食店との距離が近いためか、営業職に絞ると7割以上が「飲食店に寄り添い、感謝されたことが印象に残っている」 という内容を回答していたのが非常に興味深かったです。
2. 食べログで一番印象に残った「困難に立ち向かう姿勢」の記憶
今回のアンケートで最も多かったのが、この「困難に立ち向かう姿勢」に関するエピソードでした。全体の約6割が言及しており、コロナ禍の対応、システム刷新、AIネイティブ化への適応など、技術的・組織的な挑戦を乗り越えた経験が強く印象に残っている方が多いようです。
その中から、Go To Eatの負荷を捌き切ったサーバ、10年前の検索エンジン刷新、そして今まさに進行中のAIネイティブ化──過去から現在に至る4つのエピソードを厳選してご紹介します。
今の予約数って当時のピーク時を普通に超えていると聞いて、それが当たり前になるぐらい成長したことをしみじみと感じます。
この規模でデプロイ即サービスインはさすがに怖すぎたので、先にフィーチャートグル機能のライブラリをリリースして、新旧検索をスイッチ切り替えする方式でリスクテイクした。おかげで2箇所ほど見逃したバグがあったが、速攻で切り戻してリトライできて、サービス障害時間は10秒くらいでサービスインできた。
「このフィーチャートグルと検索インデックスは、まだ現役で食べログにいるのです。たぶん。」
以上が、「困難に立ち向かう姿勢」 を象徴するエピソードでした。
コロナ禍の苦労話は先に挙げたエピソード以外にもたくさん集まっていました。苦労話に限らず、今回のアンケート全体を通して「コロナ禍」に関するエピソードは目立って多く、回答全体の約3割 が当時の出来事について触れています。特に、当時を知る食べログ歴5~10年の社員に限定すると、なんと半数以上がコロナ禍のエピソードを挙げていました。 それだけ食べログにとってインパクトのある出来事だったことが伺えますね。
また、AIネイティブ化に関しても「AIが心強い伴走者になった」 「スタートアップ業界が長かった自分でも、素早く大胆だと感じるほど、AIシフトに踏み切っていて驚いた」 「DevinやCursorAIなどAIを業務に本格的に取り込んだ体制が当たり前に広まっていたことが強く印象に残っている」 など多くの声が集まりました。
エピソードで触れられていたCursorの導入は2025年4月ごろに行われています。
当時の苦難を語っていただきましたが、「Cursor」に限らず、今では当たり前のように全員がバリバリAIを使って開発を進めています。 その取り組みの様子をTabelog Tech Blogで紹介しているので興味のある方は覗いてみてください!
3. 食べログで一番印象に残った「自分の仕事が誰かに届いているという実感」の記憶
「飲食店に寄り添う姿勢」 を貫き、「困難に立ち向かう姿勢」 で乗り越えた結果、サービスは成長し、世の中に浸透していく。そしてその先にあるのが「自分の仕事が誰かに届いているという実感」 です。 自分たちが手がけたサービスや機能が、世の中に届き、誰かの役に立っている。 その実感こそが、日々の仕事を支えるエネルギーになります。
全体の約4割 が言及した「自分の仕事が誰かに届いているという実感」に関するエピソード。 その中から、街で当たり前に語られるようになった「食べログ 百名店」、行きつけのお店に届いた自分のサービス、海外SNSでの反響、店舗インタビューで聞いた感謝の声──4つのエピソードを厳選してご紹介します。
今では選出店に行くとジャンルを問わず体感7割以上の店舗でノベルティが飾られており、お店にとっての「大切な実績」の一つとして、受け入れていただけているように感じます。街で食べログ 百名店についての会話などを耳にすると、色々企画開発していた頃のことを思い出して嬉しくなります。
ところが翌年、私が食べログに参画後に再度そのお店を訪れると、驚いたことにお店の食べログページが充実しているのです。店主に聞いてみたところ、「食べログの営業の人が何度も足を運んでくれて、丁寧に話を聞いてくれたんだよ」「あの人の誠実さに惚れてね。任せてみようと思ったんだ」「実際に使い始めたら、他の予約と一緒に管理できて便利になった」と、すっかり食べログファンになっていたのです。
時期的にオンライン予約管理台帳として、「食べログノート」の利用を開始してくれているのだと思うので、 「食べログノート」フロントエンド担当としても嬉しいエピソードでした。
SNSでも台湾でバズって生の声も聞けて、自分で開発したものに良いコメントがあれば嬉しいし、否定的なコメントがあれば今後の改善に活かせるし、どちらであれ反響があるというのが開発者冥利につきるなと思いました。
アンケートの実施や、利用店舗に訪問してインタビューをする際、 店舗様から「どこでも発注作業ができるようになり早く帰れるようになった」「スマホでポチポチするだけなので作業が楽になった」「FAX機を店に置く必要がなくなった」 などの感謝の声をいただきました。
自分の開発したサービスが役に立っている実感を持つことができて嬉しかったです。
以上が、「自分の仕事が誰かに届いているという実感」を象徴するエピソードでした。
街で偶然会話を耳にする、行きつけのお店で自分のサービスが使われている、SNSで反響が届く、店舗から感謝の声をいただく──こうした瞬間が、日々の仕事のモチベーションになっています。
その他にも、「海外の友人にも食べログのことを知ってもらえていて驚いた」 「技術系カンファレンスで多くの人に『いつも使ってます』と言っていただけて、より頑張ろうと思った」 「家族や友人が食べログを使っているのを見て嬉しくなった」 「開発に携わっている食べログオーダーの導入店舗に偶然出会って感動した」 など、同様のエピソードがたくさん集まっていました。
このようなエピソードは全体では約4割 でしたが、在籍3年未満の方に絞ると約7割 に上っていました。こうした実感を得ることは、食べログに入ると誰しも一度は通る道なのかもしれません。そう考えると、非常に興味深い結果でした。
アンケートを終えて
今回のアンケートを通じて見えてきたのは、食べログで働く人たちの 「飲食店に寄り添う姿勢」 、「困難に立ち向かう姿勢」、そして 「自分の仕事が誰かに届いているという実感」でした。この3つが、食べログというサービスを支え続けているのだと、強く感じています。
先に 「自分の仕事が誰かに届いているという実感」 は誰しも一度は通る道、と述べましたが、私もその例外ではありません。 こうして記事を書いている途中、自分自身も食べログにジョインしてからそんな瞬間があったことをふと思い出しました。 ここまでは、他の社員の方々から集めた声を紹介していきましたが、最後に私自身のエピソードを少しだけお話しして、結びとさせてください。
「食べトクプログラム」とは、食べログでネット予約をするほどお得になるプログラムのことです。ネット予約1回ごとに「食べトクスクラッチ」がもらえ、削ると抽選で食べログ限定ポイント(1等~5等)が当たります。さらに、予約回数を重ねると会員ステージが上がり、一度にもらえるスクラッチの枚数が増えたり、ステージアップ特典がもらえる仕組みになっています。
この案件の開発は4名体制のチームで行われました。私は設計リーダーを務め、「疎結合かつ高凝集」なシステムを目指してアーキテクチャの検討を重ねました。全体の設計指針を策定する一方で、機能の中核となる「食べトクスクラッチ」の発行・抽選ロジックの詳細設計と実装も自ら担当しました。
食べログにおける完全新規機能の開発は私にとって初の挑戦でしたが、特に本機能は金銭と同等の価値を持つ「ポイント」を取り扱います。 そのため、発行や抽選ロジックに考慮漏れがないか、万が一の障害時にもしっかりリカバリが可能で、データの不整合やユーザーの不利益が発生しないか、など神経を尖らせながら開発していました。
そんな苦労がありながらもなんとか無事にリリースまで漕ぎ着けました。 特に大きな不具合もなく、リリース直後は安堵したのを覚えています。
リリース後、自分のスマートフォンで実際にスクラッチを削れた瞬間の感動は忘れられません。今でもプライベートでお店を予約し、獲得したスクラッチを削るたびに、単なる抽選以上に、特別なワクワクを感じています。
それから1年ほど経った頃、前職の同僚たちと飲みに行く機会がありました。飲食店探しが趣味だという方がいて、その時のお店もその方が手配してくれました。 そのお店で提供される魚と日本酒があまりにも美味しく、普段どうやって店を探しているのか、という話になりました。
「探し方は色々だけど、よく行くお店の人に聞いたり、SNSで探したりとか...あと食べログもめっちゃ使ってるよ、ほら」
そう言ってその方は「食べトクスクラッチ」の一覧画面をスクロールしながら見せてくれました。
いきなり「食べトクプログラム」関連の画面が出てきたので、とても驚きつつ、「スクラッチの機能開発したの僕ですよ!(笑)」と伝えると、「本当?俺かなり削ってるよ」と言われました。その言葉を聞いて、リリース直後に自分で確認した時とはまた違う喜びを感じました。
その後も
「でも、まだ全然当たったことないんだけど(笑)何とかしてよ(笑)」
「そんなこと言われても無理ですよ(笑)抽選は抽選なので(笑)」
なんて会話を交わしながら食事を楽しみました。
苦労して作ったものがこうして身近な人たちにしっかり届いているという実感があると、「今日も仕事を頑張ろう」という気持ちが沸々と湧き上がってきます。
明日は亀田さんの「The Tabelog Award:レストランの国民栄誉賞を目指して」です。お楽しみに!
食べログでは、20年の歴史を未来へ繋いでいく仲間を募集しています!
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