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AI Engineering Summit Tokyo 2026 スポンサー参加レポート:「AIネイティブ時代のエンジニアのホンネ」

はじめに

こんにちは。カカクコム 技術広報の辻です。

2026年6月8日・9日に開催された AI Engineering Summit Tokyo 2026 に、カカクコムとしてスポンサー参加しました。この記事では、イベントの概要・CTO 京和のセッション・ブースで実施したアンケート結果を中心に、当日の様子をレポートします。

AI Engineering Summit Tokyo 2026 とは

AI Engineering Summit Tokyo 2026 は、Findy 株式会社が主催するカンファレンスです。「AI エージェントを使う・創る・推進するエンジニアと責任者に向けた、実践的な事例と知見が集まる場」として企画されており、各社の現場で得られた実装・運用・組織展開のリアルな知見が共有されました。

ソフトウェア開発の最前線では、「人が AI を使って開発する」時代から「AI が AI を開発する(AI Building AI)」時代への転換点を迎えています。各社がどのように開発フローを変えていくかを議論する場として、注目を集めるカンファレンスです。

詳しくはこちらをご覧ください。

参加の経緯

カカクコムでは、会社全体で AI 活用に取り組んでいます。AI Engineering Summit Tokyo 2026 は、同じ課題に向き合うエンジニアと直接話せる場として魅力的でした。スポンサーとして参加し、2日間で多くの方と意見交換する機会をいただきました。

登壇:CTO 京和のセッション

イベント初日、カカクコム CTO の京和がセッション登壇しました。タイトルは「価格.comをAI駆動で全面刷新する — 30年分の技術的負債を返し、次の30年の土台をつくる —」です。

スライドはこちらからご覧いただけます。

セッションでは、価格.com が抱える技術的負債の実態と、それを AI 駆動で全面刷新していくアーキテクチャ・進め方を紹介しました。技術的な設計の話にとどまらず、「組織としてどう向き合うか」「エンジニアの月間 AI 利用額をどう考えるか」といった組織づくりの視点まで踏み込んだ内容が好評を得ました。

登壇後は、SaaS系企業の CTO や大手システム会社のエンジニアなど、マネジメント・テックリード層の方々を含む複数名がわざわざブースまで「セッション良かったです」「もっと詳しく聞かせてほしい」と伝えに来てくださいました。技術的な内容だけでなく、組織づくりの視点まで踏み込んだことが響いたようです。

展示ブース①「AIネイティブ時代のみんなの現在地」アンケート

ブースでは、来場者のリアルな現在地を可視化する参加型アンケートを実施しました。シールを貼って答える形式で、2日間で約 80 名の方に回答いただきました。

アンケートボード全体

4つの設問に分けて、結果と考察をご紹介します。

Q1. 新規コードの何%を AI が書いているか

アンケートボードQ1

回答は「80〜100%」に大きく集中しました。

昨年7月のデブサミ(Developers Summit 2025 Summer)で同様のアンケートを実施した際は分布が広かったのですが、約 11 ヶ月後の AI Engineering Summit Tokyo 2026 では高い側に偏っています。

アンケートボードQ1

デブサミ2025でのQ1アンケート結果

参加者属性の違い(AI Engineering Summit Tokyo 2026 は AI エンジニアリング特化のカンファレンス)も影響しているとは思いますが、それを差し引いても、AI 活用が業界全体に浸透しつつある流れを示唆するデータだと感じました。一方で、会社の方針でほとんど AI を使えない、または Copilot のみという方も数名いました。組織による温度差はまだ大きい段階と言えます。

Q2. 月間 AI 利用額

アンケートボードQ2

おおよその傾向として、5000円〜3万円にかけて厚い分布があり、3万円前後にピークが見られました。「それ以上」にも大きなクラスターが見られました。ブースでの会話の中では、月間 AI 利用額が400万円というケースも登場しました。CTO のセッションで紹介した「一人の設計者の月間 AI 利用額 440 万円」と近い水準で、最前線の現場ではそれだけの投資が行われていることを改めて実感しました。

一方で、後述の Q3 の結果と合わせると、「お金を払っている=使いこなしている」とは必ずしも言えないことも見えてきました。

Q3. コーディングエージェントの活用度

アンケートボードQ3

「複数タスクを並行で任せる」という回答がわずかに多く、最多でした。

「ゴールを与えて AI に自律走行させる」も僅差で続きますが、アンケートでは「一部のタスクでも自律させられていれば『ゴールを与えてAIに自律走行させる』に貼ってください」とお伝えしていたため、「完全に自律稼働している」というよりも「特定のタスクなら任せられるが、まだできない場面も多い」という段階の方が多い印象でした。

Q2 の利用額と合わせて見ると、「月間の投資額」と「エージェント活用の深さ」は必ずしも比例しないことが分かります。ツールに課金することと、エージェントとして使いこなすことの間には、まだギャップがあるようです。

Q4. AI で開発は楽しくなったか

アンケートボードQ4

「楽しい・ワクワク優勢」「夢中!」と答えた方が大多数を占め、ネガティブな回答は極少数でした。

一方で、つらいと感じている方の声を詳しく聞くと、大きく 2 つのパターンがありました。

  • レビューがつらい:AI が生成したコードのレビュー負担が増している。量の増加への悩みとともに、AI ツールの使用料の高さに悩むケースも聞かれました
  • 好きな作業が奪われた感覚がある:自分がやりたかったコーディングを AI に取られてしまったように感じる

後者は AI 活用の副作用として興味深い視点です。生産性が上がる一方で、エンジニアとしての楽しさや手応えをどう再定義するかは、チームで考え続けるべきテーマだと感じました。

アンケート全体の考察

業界全体で AI 活用の「量(どれだけ使っているか)」は急速に増えていますが、「質(どれだけ深く使いこなせているか)」にはまだ大きな伸びしろがあります。活用の深さを組織としてどう底上げするかが、次の課題として浮かび上がってきました。

展示ブース②プロダクト事例紹介

ブースでは、カカクコムが運営する各プロダクトの AI 活用事例も紹介しました。

カカクコムには食べログ・価格.com・求人ボックスをはじめ多数のプロダクトがあり、会社全体で AI 活用に取り組んでいます。今回は代表として以下の事例を紹介しました。

食べログ

AI エージェントで「コードを生む」と「コードを減らす」を同時に実現。Harness Engineering(AI の評価・制御の仕組みづくり)の取り組みも複数チームでテスト運用中です。

食べログのAI活用事例①
食べログのAI活用事例②

価格.com

AI 駆動での全面刷新(CTO セッションで紹介した内容)。

価格.comのAI活用事例

求人ボックス

Claude Code・Devin など多数のエージェントツールを積極活用。AI 利用 PR 率が半年で 49 ポイントアップ、独自エージェント「HACO」の開発も進行中です。

求人ボックスのAI活用事例

各事例について詳しく聞いてみたい方は、ぜひカジュアル面談でお話しできればと思います!

参加してみて

2日間を通じて、他社のエンジニアや開発リーダーとの意見交換から多くの気づきを得ました。特に印象的だったのは、実装事例への高い期待です。

具体的な導入事例へのニーズ

実際のサービスへの AI 導入事例への期待が大きく、特にハーネスエンジニアリング(AI の評価・制御の仕組みづくり)への関心が高いと感じました。LLM やエージェントツールの活用にとどまらず、検索など大規模データを扱う領域への質問も多く、「どう実装しているか」を具体的に知りたいというニーズを実感しました。こうした声を受けて、カカクコムの知見をこれからも積極的に発信していきたいと思います。

今回の参加を通じて感じたのは、「AI 活用の量と質のギャップ」はカカクコムにとっても自分ごとのテーマだということです。得た気づきと刺激を社内に持ち帰ります。

セッションをご覧いただいた方、ブースでアンケートに答えてくださった方、意見交換をしてくださった方、ありがとうございました!