Tabelog Tech Blog

食べログの開発者による技術ブログです

SIerから転職して1年たった今、食べログに入社して感じたこと

はじめに

こんにちは!食べログの飲食店システム開発部サービス開発チーム所属の木寺と申します!

金融系SIerに新卒入社してから約6年働いた後、転職して現在食べログで働いています。
転職してからちょうど1年経って落ち着いてきたので、転職を決意してから食べログで働いている現在までを記事に書いていこうとおもいます。

本記事では主にSIerでの働き方と食べログでの働き方を比較して書いていきますので、
「SIerから食べログに転職してみたいなぁ」
「食べログでエンジニアとして働くってどんな感じだろう?」
と思っている方に参考になれば幸いですmm

転職しよう!と決断した理由

いろいろとありますが
「このまま働いていてもITでサービス改善 ひいては 
会社のビジネスを改善できるスキルは身につけられない」

と考えたことが1番の理由です。

転職する直前は、受託開発でクレジットカード会社のWebアプリケーションの
要件定義〜設計を担当していました。

その際に感じたのは
「SIerの受託開発ではコストを抑えること、納期を守ること、
要件定義で決められた内容を順守するための方法は学べるが、
お客様のビジネスにはほとんど関われないなぁ...」
ということでした。

もちろん、SIerに限らず上記の内容を遵守することは大切ですが、
「このまま続けても望んだスキルは身につけられない」
と意識したことが、転職しようと決意したきっかけでした。

何で食べログで働くことを決めたのか?

上記の理由で転職しようと決断した私は、社内SEを含め様々な企業と面接しました。

そんな中で食べログで働くことを決めた理由は
「食べログは100%自社開発でサービス運営しており、そこで働くことでサービス改善、
さらには会社のビジネス改善ができるチャンスがあるとイメージできた」からです。

さらに、面接の中でも
「自分の仕事が会社のビジネスに関わるので、会社の事業やビジネスに向かい合えるエンジニアになれる」
という話も聞けました。

こうして、「自分の望んだスキルを身につけられるかも!」
と思いましたので働くことを決めました。

食べログで1年働いて感じたギャップ

ここからは、私が食べログで1年働いてみて感じたことを語っていきます!

SIerよりもよかったと感じたこと

1案件の設計~リリースまでのスピードが格段に速い

SIer時代は基本的に担当した案件は年単位でかかるものばかりです。
しかし、食べログでは案件の規模は大小様々あります。

例えば、画面の文言変更であれば当日中に着手〜リリースまで完了します。
一方で、最近私も関わった食べログで飲食店が求人を出せるようになる案件については
約半年程度かけて設計〜リリースまで完了しました。

ただ、SIer時代とは異なり、社内のみで案件が完結するため、個々の案件では
必要最低限の資料のみ作成して進められます。

具体的には、要件定義書と基本設計書、テストケース一覧はありますが、
それ以外の資料を作成することはほとんどありません。
(詳細設計についてはソースコード上で完結させることも多いです。)

このため、
「案件の規模が大きかったとしても体感のスピードは倍以上違うな!」
と感じています。

想像以上にサービスの業務領域が大きい

私は食べログの代理店や営業、食べログと飲食店間の契約を管理する業務担当者をサポートするWebサイトの開発・運用を担当しています。
私はプログラム開発よりもどちらかといえばお客様の業務分析が得意という自信がありましたが、食べログの業務は1年たった今でも全容が見えません(涙)

例えば、契約情報を管理するためには
「飲食店が食べログと契約した場合、いつから予約サイトを使用できるのか?」
「飲食店が入力したメニュー情報などは、どのように食べログの画面上で見えるのか?」
ということも把握するためにネット予約システムの知識やみなさんお馴染みの
食べログのレストラン詳細画面の仕様も理解する必要があります。

まだまだ勉強が必要ではあるなという自覚はありますが、
SIerで働いていた時もお客様の業務を分析することは日常茶飯事だったので、
「お客様の業務を学んできた経験が無駄にはならなかった!」とつくづく思います!
(当時頑張っていた私、ありがとう!)

開発したシステムの利用者との距離がとても近い

これが直近半年で最も大きい嬉しいギャップです!

SIerで受託開発していた当時は大抵の案件ではお客様のシステム部門とのみ
会話する機会しかありませんでした。

そのため、どうしても開発するシステムの仕様の認識合わせを行うために
開発したシステムの利用者に質問や相談する場合は
 1. お客様のシステム部門に説明
 2. システム部門の担当者がお客様の社内で担当部門に確認
 3. システム部門の担当者から結果を共有される
という3ステップが最低でも必要となりました。
さらに、3.の結果に満足できない場合は複数回同じステップを繰り返すことも...

しかし、食べログでは直接システムを使用する営業や業務担当者などの利用者が
全員社内の人間 かつ Teamsひとつで繋がれます!

ですので、開発するシステムの仕様で悩むことがあれば
 1. システムの利用者を全員集めて説明し、確認する
という1ステップで完結できます!

また、SIer時代は案件対応した後はどのように利益に反映されているのが
わかりにくかったですが、食べログでは「〇〇の情報を画面で見えるようになれば
この情報を使って食べログのよさを飲食店にアピールしやすくなる!」など
この案件の対応が最終的にどのように会社の利益に反映されるのかを
利用者から直接ヒアリングできます!

自分の仕事が会社の利益につながっていることを実感し、利用者との距離が近いことで
「この対応って最終的に〇〇になる可能性があるので要件を整理した方がよい」
などの提案もしやすいです。(そして大抵の場合喜ばれます!)

こういった提案する経験を何度も繰り返すことで
サービスを改善できるエンジニアに成長できるのかな?と最近は考えています。

案件の進め方の自由度が高い

案件の進め方についてもSIer時代よりも自由であると感じます。

SIerでは案件の規模にもよりますが
基本的にはウォーターフォールでの開発をメインとしていました。

しかし、食べログでは例えば要件が確定していないならプロトタイプを先に開発する、
どうしてもX日にリリースをしたいけど要件が多すぎる場合は、
最低限必要な機能だけを先にリリースするなど様々な進め方ができます。

私の場合は
「画面機能のみは○月までに作成して先に機能確認してください!
バッチ機能は確認いただいている間に作ります!」
と交渉して案件を進めたこともあります。

これについては社内開発であり、上で述べたようにシステム利用者との距離が近いからこそ
柔軟に対応できるのかなと私は考えています。

SIer時代よりも改善が必要だと感じたこと

ここまではSIer時代よりもよかったことだけを書いてきましたが、
一方で「ここは改善が必要だな」と思うこともあります。

テストフェーズが不明確 かつ テストが不十分と感じることがある

食べログではSIer時代よりも開発の安定性よりはスピードが求められるシーンが多いです。

そのため、開発したソースコードのテスト自体は行っていますが、SIer時代のよりは明確に
〇〇は結合テストでXXはシステムテスト とテストフェーズを分けていないケースが多いです。

その結果、単純なバグがリリース後に発覚することが多い気がしています。

ただ、単純な画面文言修正などでSIer時代のように十分以上にテストを行うと
案件の対応スピードが不足し、最悪サービスがうまく回らない可能性があります。

ですので、案件の内容や改修規模によってはSIer時代のようにテストフェーズを明確化し
フェーズごとのテストケースを記載するように変えていこうと考えています。

また、単体テストについては「RSpecを作成してCIによる自動テストをやっていこう」という
動きが食べログ内でも活発化しています。

特にRSpecで苦労している点については以下の記事でも紹介されていますので
こちらも参考にしてください。
FLAKYなテストってなーに?

資料が点在しているので探しづらい

私のチームでは過去はRedmine、現在はGitHubのIssue機能や
Confluenceを利用して設計を行っています。
そのため、設計資料などが点在しており、過去の案件の対応内容などを調べる際にとても時間がかかってしまいます。

思い返してみれば、SIer時代はお客様の機能ごとにフォルダを作り、
そこに案件で使用する設計書含めたすべての資料を格納していたため
当時の要件を調べることが容易でした。

当時のノウハウを流用し、各種機能ごとに当時の案件資料は
様々な場所に点在していても、このフォルダから辿れば参照できるという
ルールを決めれば、改善できるかもしれないですね..


これら以外にも、まだまだ食べログにも改善が必要なことはたくさんあります。
ただ、それらの中にはSIer時代に受託開発で培ったノウハウを活用すれば解決できる問題も
実は多いです!

最後に

今回こうして現在までを振り返ると転職直前は
「食べログではSIerで身につけた経験やスキルが活かせるのかな?」
と不安になっていたことも思い出しました。

この記事を読んだ方に伝えたいのは
「SIerから食べログに転職しても、
実は前職で身につけた経験やスキルは有効活用できる場面は多い」ということです。
実際私以外にもSIer出身の方は大勢いますし、皆さん大活躍しています!

もしも、この記事を読んでちょっとでも食べログで働くことに
興味を持っていただけたのであればぜひ応募していただきたいです!

もしくは「話を聞いてから転職するかを決めたい!」
と思われているのであればカジュアル面談も可能です!

皆様の今後のキャリアを考える上でこの記事が参考になれば幸いですmm