Tabelog Tech Blog

食べログの開発者による技術ブログです

2回目のパパ育休を取る(そしてマネージャーになる)

はじめに

こんにちは。食べログ飲食店プロダクト開発部の安村です。

カカクコムでは2025年3月度時点で育休取得率が女性100%、男性91%と、性別を問わず育休を取得しやすい環境が整っています(詳しくはデータで見るカカクコムをご参照ください)。

食べログテックブログでは、これまでにも @araiguma47 さんの「新米パパ、育休を取る」@4palace さんの「新米パパ、産後パパ育休を取る」 など、パパエンジニアの育休体験記が公開されています。

先輩パパたちは「新米パパ」として1人目の育休を語っていましたが、今回は少し趣向を変えて、2人目が生まれた際に取得した2回目の育休について書いてみます。

「2回目の育休って、1回目と何が違うの?」と思われるかもしれませんが、立場も状況も育児の中身もまるで別物でした。まずは比較表をご覧ください。

1回目 2回目
期間 1.5ヶ月 1.5ヶ月
当時の立場 開発メンバー 開発リード
進行中のプロジェクト リリース完了しひと段落 食べログ多言語版立ち上げ(大規模)
引き継ぎ 運用業務程度 2ヶ月前から準備
育児の負荷 新生児のみ 新生児 + 上の子(2歳5ヶ月)

期間こそ同じ1.5ヶ月ですが、それ以外は全然違います。特に「上の子がいる状態での育休」は、1回目にはなかった難しさがありました。

この記事では、2回目の育休を取るまでの経緯や、育休中の過ごし方、復帰後の話まで、自分の経験をそのまま書いていこうと思います。

2回目の育休、どうしよう?

2人目の妊娠がわかったとき、正直なところ育休を取るかどうか少し悩みました。

1回目の育休は初めての育児で不安だったのでわりと迷わず取得を決めたのですが、2回目となると「1回経験してるし、なくてもやれるかな?」という気持ちもあったのです。

ただ、もともと2回目の育休にも興味はありました。1人目のときとどう違うのか、純粋に知りたかったというのもあります。

そんなとき、上司や同僚から「2人目の育児中は、上の子のケアが本当に大事だよ」とアドバイスをもらいました。正直、上の子への影響をそこまで考えていなかったので、「なるほど、そういう視点もあるのか」と、取得したい気持ちが強くなりました。

一方で、キャリア面の不安もありました。

1回目の育休のときは開発メンバーとして担当プロジェクトがちょうどリリース完了してひと段落していたので、引き継ぎもほぼなく、気楽に育休に入れました。でも今回は状況が全然違います。食べログ多言語版の立ち上げという大規模プロジェクトが進行中で、自分は開発リードの立場。正直、「この時期に抜けて大丈夫なのか?」「プロジェクトを成功させてキャリアアップしたいのに……」という気持ちがありました。

そんな中、上司に相談したところ「プロジェクトをうまく引き継いでくれれば問題ないよ」と背中を押してもらい、思い切って取得を決めました。

期間は1回目と同じ1.5ヶ月。前回この期間でちょうどよかったという体感があったことと、プロジェクトの開発フェーズがうまく区切れるタイミングだったのが理由です。もちろん、これはあくまで自分の家庭とプロジェクトの状況を踏まえた判断で、育休期間に正解はないと思います。

育休前の引き継ぎ

育休を取ると決めたら、次は引き継ぎです。

1回目は担当プロジェクトがひと段落していたこともあり、運用業務を引き継ぐ程度で済みました。ところが今回は大規模プロジェクトの進行中。さすがに「よろしく!」の一言で抜けるわけにはいきません。

育休の2ヶ月前、プロジェクトの要件定義の段階から準備を始めました。やったことをざっくりまとめると、こんな感じです。

  • 関係者への早めの共有:自チームだけでなく他チームにも、不在期間と体制を早い段階で共有
  • 不在を前提とした開発の段取り決め
    • サービスインに必須な機能は育休前に自分が開発完了させ、育休中はQAや検証のフェーズに
    • 必須でない機能は育休中にチームが開発し、復帰後に検証
    • チームを横断する業務は育休前に要件定義と設計を済ませ、育休中は自チーム内で完結できるようにした
  • 引き継ぎ先メンバーとの1on1や定例MTGの整備:育休中にプロジェクトが止まらないよう、ミーティングの枠組みを整えた

振り返ると、ドキュメントを大量に作ったとか、特別なことをしたというよりは、要件定義の段階から「自分が1.5ヶ月いなくなること」をプロジェクト計画に織り込んだのが一番大きかったと思います。育休中にメンバーが「これどうすればいいんだっけ?」と迷うような状況を、そもそも作らないようにした、という感じです。

引き継ぎに協力してくれたチームメンバーや他チームの方々には、本当に感謝しています。

育休開始!2回目の育児

さて、いよいよ育休です。

1回目の育休経験があるので、新生児の育児ルーティーン(授乳、おむつ替え、沐浴……)にはそこそこ慣れています。「これは前にもやったやつだ」という感覚で、わりと落ち着いて対応できました。

ただ、2回目の育休で自分の主な役割は新生児のお世話ではなく、上の子(当時2歳5ヶ月)の世話でした。そしてこれが、1回目にはなかった大変さの本番でした。

上の子のメンタルケア

今回は里帰り出産だったので、上の子は普段通っている幼稚園ではなく、実家の近くの幼稚園に一時保育でお世話になりました。

当然ですが、友達も先生も全員初めまして。2歳の子にとって、いきなり知らない環境に放り込まれるのは相当なストレスだったと思います。実際、最初はなかなか慣れず、苦労している様子でした。

さらに、家に帰ればこれまで独占していたママが新しい赤ちゃんにつきっきり。上の子からすれば、「幼稚園は知らない人ばかり、家に帰ればママは赤ちゃんの方……」という状況です。

このあたりのケアが、2回目の育休で一番気を遣ったところでした。

我が家でやったのはこんなことです。

  • 家では上の子に寄り添い、一緒に遊ぶ時間を意識的に増やした。自分が上の子の「担当」になるつもりで過ごしました
  • 下の子の育児は妻と当番制にして、上の子が妻と二人きりで過ごす時間を作った。ママを独占できる時間があるだけで、上の子の表情が全然違いました
  • 下の子のお世話に上の子も参加させた。おむつを持ってきてもらったり、一緒にあやしたり。「お兄ちゃんなんだよ」と家族の一員としての感覚を育てることを大事にしました

夜泣き問題

もうひとつ大変だったのが夜泣きです。

下の子の夜泣きがなかなかのもので、同じ部屋で寝ていた上の子が何度も起こされてしまい、寝不足になってしまいました。2歳児の寝不足は、日中の機嫌にダイレクトに響きます。これは親もつらい。

いろいろ試した結果、寝る部屋を分けるのが一番効果がありました。シンプルな解決策ですが、上の子がぐっすり眠れるようになって、日中の生活もだいぶ安定しました。

2回目ならではの気づき

2回目の育休で一番大変だったのは、新生児のケアではありませんでした。上の子のメンタルケアと、家族全体の生活リズムの再構築。これが2回目ならではの課題であり、育休を取って上の子のそばにいられたことが本当によかったと思うポイントです。

周りから「2人目の育児では上の子のケアが大事」と聞いていましたが、実際に経験してみると、想像以上でした。これは育休を取って自分の目で見て、手を動かしてみないと分からなかったことだと思います。

育休からの復帰

1.5ヶ月の育休を終えて復帰しました。

ありがたいことに、復帰から2〜3日で通常業務に戻れました。あらかじめ自分で開発の段取りを決めていたので、「今プロジェクトがどの時点にいるか」を確認するだけでキャッチアップできたのが大きかったです。

もちろん、育休中に細かい問題(不具合の発覚や要件定義の漏れ)はいくつか発生していました。ただ、いずれも大きな問題には至っておらず、チームがしっかり対応してくれていました。改めて、頼りになるメンバーに恵まれていたなと思います。

おまけ:育休を経てマネージャーに

これは育休の話とは少しずれるのですが、多言語版プロジェクトのリリース後、エンジニアリングマネージャーに昇格しました。

後から上司に聞いたところ、多言語プロジェクトをうまくリードしたことに加えて、育休にあたっての準備や引き継ぎの段取りも評価ポイントのひとつだったそうです。

「準備や引き継ぎの段取り決めがよくできていたおかげで、引き継いだリーダーがそこまでやることがなかった」とのこと。

これは狙ってやったわけではないのですが、育休という制約があったからこそ、「自分がいなくてもチームが回る状態を作る」ということに真剣に向き合えたのかもしれません。結果的に、それがマネジメント能力の評価につながったのは、自分でも意外な展開でした。

現在はエンジニアリングマネージャーとして、引き続き食べログの開発に携わっています。

さいごに

2回目の育休はとってよかったです。

特に、上の子のケアという意味で、自分がそばにいられた1.5ヶ月は本当に有意義な時間でした。新しい環境に戸惑う上の子に寄り添えたこと、家族4人の新しい生活リズムを一緒に作れたこと。これは育休を取らなければできなかったことだと思います。

育休前の引き継ぎ準備は正直大変でしたが、それが復帰後のスムーズさにもつながったし、結果的にキャリアにもプラスに働きました。もちろんこれは自分のケースであって、全員がこうなるわけではありません。ただ、「育休を取ること=キャリアにマイナス」とは限らないんだな、というのは自分の中での大きな発見でした。

最後に、育休を快く送り出してくれた上司、引き継ぎに協力してくれたチームメンバー、そして一緒に育児を乗り越えた妻に感謝しています。

2回目のパパ育休を検討している方の参考になれば幸いです。


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