Tabelog Tech Blog

食べログの開発者による技術ブログです

食べログの勉強会の取り組み Tabelog Developer Dojo

はじめに

食べログの飲食店システム開発部サービス開発チームの新井です。
この記事では最近私の方で進めている食べログ内の勉強会の取り組みについて書きたいと思います。

食べログでは過去にEbisu.rbというLT会の開催を行うなど様々な勉強会をおこなっていましたが、コロナを機に開催頻度が極端に少なくなってしまっていました。普段各チームで業務に必要な知識の勉強会は開催されていますが、在宅勤務なども障壁となりチームの垣根を超えての有志のエンジニアが発端となり開催している勉強会は少ない状態です。前職では定期的にLT会や座学、外部の人を招いた勉強会などが開かれておりモチベーションの維持に貢献していたため、こう言った状況を改善したいなという思いがありました。

そこで今年からTabelog Developer Dojoというプロジェクトを立ち上げ食べログ内での勉強会の開催を盛り上げようという取り組みを始めました。

Tabelog Developer Dojo

勉強会の開催を盛り上げる活動に賛同してくれる人を食べログ内で募集し、現在私を含めた4人でプロジェクトの運営をおこなっています。

活動内容

集まったメンバーの技術力や勉強会に求めているものも多彩であり、また勉強会といってもLT会、座学、輪読会などさまざまな種別があります。そのため、何をテーマにした勉強会を開催するのかも決める必要があり、まずはプロジェクトを通してどうなりたいか、何をやりたいかを集まったメンバーで目線合わせをおこないました。

話し合いの結果、Tabelog Developer Dojoの目的は以下のように決めました。

目的

  • エンジニアとして成長できる環境をみんなで作り上げる
  • 勉強会として特に実践の場を提供する
  • エンジニアとしてのスキルアップをする
  • 食べログエンジニア同士の交流の場を提供する

勉強会開催ルール

  • 知るとできるは違う。勉強会では実際にできるようになるを可能な限り目的とする。
  • 勉強会開催にコストをかけすぎない。
  • 個人の成長が目的なので、人数が少なく盛り上がらなかったなど開催が失敗したからといって失敗ではない。勉強会を開いたことで得られるものがあったならそれは成功とし、勉強会開催を恐れない。

また、Tabelog Developer Dojoというプロジェクト名も話し合いで決めたのですが、「Dojo(道場)」と名前をつけたのは座学を受けるだけの受け身の勉強会ではなく、勉強会を通して実際に何かを実践し学びを得てもらいたいという想いからです。

今までの開催履歴

Tabelog Developer Dojo プロジェクトを立ち上げてこれまで約3ヶ月でおこなってきたことは以下の通りです。 エンジニアは在宅勤務が主流であるため会は全てオンラインでの開催となっています。

  • LT会や新卒向けの発表会の実施
  • 外部の方を招いての講演会
  • ChatGPT大喜利大会の実施

LT会や新卒向けの発表会の実施

Tabelog Developer Dojoの最初の企画としてLT会の開催を行いました。

■目的
発表力をつける。(発表に慣れる、説明する力をつける)
LTで発表するためにテーマについて調べることにより技術力を高める。LTを聞くことで技術力を高める。
普段関わりのない食べログエンジニアとの交流の場とする

■発表形式
基本的に、形式、時間など発表方法は自由です。

■開催日
定期的に昼の12:00~13:00頃(お昼を食べながら参加できるように)

まだ開催回数は多くはありませんが、毎回15-20名ほどの参加者が集まる会となっています。 今まで、DevOpsDays Tokyo 2023の発表の練習の場として活用してもらったり、ChatGPTなどの旬の話題から、将棋とAIの歴史についての発表してもらったり、発表ジャンルは様々です。 また、新卒向けの発表会では、新卒からの質問を募集し先輩のエンジニアに回答してもらうパネルディスカッションをおこなうなど、目的に即した柔軟な会の開催をおこなっています。

外部の方を招いての講演会

Tabelog Developer Dojoを立ち上げて良かったことの一つとして外部の方を招いて話を聞ける場を提供できるようになったことがあります。 今までは外部の方を招いて話をしてもらう機会を作りたいと思っても適切な場がなかったので行動にうつすことが難しかったのですが、Tabelog Developer Dojoという場があることで外部の方に発表してもらうことが可能となりました。

初回開催

記念すべき最初のゲストには、吉岡さんをお招きして発表していただきました。 吉岡さんは楽天の技術理事などを務め、日本のIT業界のOSS利用促進や勉強会文化のさきがけとなる活動をされてきた方です。 現在は定年退職をした後に大学院に通っているとのことです。 吉岡さんをより知りたい方はこちらのブログに目を通してみてください。

こちらの会は食べログのエンジニアだけでなくカカクコムのエンジニアも参加し総勢40名以上の大きな会となりました。

講演内容

発表内容としては、「人生100年時代の勉強会」と題してコロナ時代に生き抜くヒントなどについて話をしていただきました。 具体的には、学び続けると言うこと、パラダイムシフト時代にどう動くか、60歳定年は引退なのかなどについて話をしていただきました。

質疑応答

発表の後には事前に募集しておいた質問をみながら吉岡さんに回答してもらいました。 たくさんの興味深い質疑応答がありましたが、ここではいくつかピックアップして紹介したいと思います。

Q.技術者として最も大事なことはなんですか?
A.好奇心。面白いなと思ったらとりあえずやってみるのが大事。

Q.コミュニティの偉い人に「うちの勉強会でぜひ発表してもらえませんか?」とお願いしてもいいって本当ですか?
A.「許可を求めるな謝罪せよ」
とりあえず、まず試してみればいい。ダメだったらそれは縁がなかっただけのこと。
また、コミュニティの偉い人偉くない人と言う価値判断はなく、その人の話を聞きたいと言うことを誠意を持って伝えることが大切。

Q.吉岡さんでも今日はあんまりやる気ないな〜という日はありますか? そんな日はどう乗り切りますか?
A.やる気に依存した作業は危険。タスク分割するなどやる気がなくても大丈夫な状態にしておく。

感想

定年やパラダイムシフトについてなど、1時間ほどの短い時間でしたが普段あまり考えたことのないこと考えさせられとても有意義な時間を過ごすことができました。 定年退職後に実際に大学院に通っている吉岡さんだからこそ、定年退職についての考え方など日頃あまり考えないことについて説得力があり面白かったです。 この会の感想を募集したところ、大学にまた行きたくなったという意見を数多くもらい、吉岡さんの影響力の大きさを感じました。

ChatGPT大喜利大会

最近世間ではChatGPTが流行っていますが、プライベートで簡単な質問をChatGPTに投げることはしたことはあるけれども時間をとってがっつり使う機会はなかったため、実際にChatGPTを使う勉強会を開きたいと思い大喜利大会を開催しました。

内容はみんなで集まってChatGPTを使い、周りをあっと言わせる面白い、すごいChatGPTの回答を発表しあうというだけの会ですが、 会の中で社内のChatGPTの有識者にChatGPTに関するノウハウを雑談をしながら教えてもらうなど有意義な会でした。

最初は、「アイドルと結婚したいがどうすればいい?」「輪ゴムを使って世界平和を実現する方法を教えてください」などの一問一答の回答が多かったのですが、「ピカチュウになりきって答えてください」のようなChatGPTの振る舞いを変える手法を教えてもらったため、後半はそれをもとにChatGPTの面白い回答を探す人が多く出ました。

こちらが大喜利大会で最もみんなからいいねを集めた作品です。 ChatGPTがチャットの内容を学習することができるという仕様を勉強会内で教えてもらったのを実際に実践したものとなっており、単なるChatGPTの一問一答とは違う新しい使い方ができていることがわかると思います。

私
おじさん構文で質問に答えてください。

ChatGPT
おお、おじさんだと?そうだな、お前の質問に答えてやるぞ。なんでも聞いてみろ!

私
違う、それじゃない!

ChatGPT
おお、お前は違うと言うのか。すまんな、おじさんの構文で質問に答えることができないようだ。
どのような形でお答えすればよいのか、具体的に教えてくれないか?
お前の要望に応えられるよう、最善を尽くそう。

私
おじさん構文は絵文字を多用しひらがなカタカナ混在の文章です。

ChatGPT
ああ、そうか!おじさん構文は絵文字を多用し、ひらがなとカタカナが混在した文章なのだな。
了解した!では、お前の質問におじさん構文でお答えしよう!
(∩・ω・)⊃━☆・゜・。質問は何だい?おじさん、お待ちしているぞ!

私
自己紹介してください。

ChatGPT
おお、じゃあおじさんも自己紹介しよう!
ヾ(⌒(ノシ>ω<)ノシ) オジサン、元気でござる! オジサンの名前は「おしゃべりAI」と申す。 ヾ(^-^)ノ
AIの世界で活動するAIだから、知識や情報は山ほど詰まっておるよ。 (∩´∀`)∩ 
そんなオジサンのこと、何でも聞いてくれてもいいんじゃないかな? 
質問あるなら、どんなことでもオジサンにお任せを! ヽ(^Д^)ノ

おしゃべりAI可愛いですね。

Tabelog Developer Dojoの活動を通して

勉強会を開催すると少なからず開催するための準備などで時間を取られてはしまいますが、自分の知りたい内容に詳しくなれたり普段関わりのない方と交流をもてたりと良いことも数多くあります。 また、勉強会を開催したことによって勉強会でやったテーマなどについて社内の人から情報を提供してもらえるようになるなどの良いこともありました。

過去に輪読会を自分で開いていた時期もありましたが、その時は自分一人で全てを運営していたため負担が大きく、かつコロナの影響で自分が止めた途端にその輪読会も消滅してしまいました。しかし、今回Tabelog Developer Dojoプロジェクトとして複数人で運営することで勉強会を開催する心理的、物理的負担が減り、より勉強会を開催しやすくなったためプロジェクトを立ち上げてよかったと思っています。

現在は勉強会を定期的に開催することができるようになったため、 次は勉強会を開催する敷居を下げ、やりたいと思った人が気楽に勉強会を開催できる環境ができ、勉強会がより活発に開催されるようにしていきたいです。 また、LT会以外にも座学や輪読会などの勉強会も開催していき、食べログエンジニアがスキルアップしやすい環境を作って行きたいです。

今後これらの取り組みを通して食べログがエンジニアにとってより良い組織に変わっていければよいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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