Tabelog Tech Blog

食べログの開発者による技術ブログです

外国出身QAエンジニアが日本で就職してみた話

はじめに

こんにちは!食べログシステム本部 品質管理室 飲食店QCチームのテイです!
食べログに入って日が浅いですが、食べログでの新しいキャリアをスタートする外国人として、 過去3ヶ月間の経験と学びを皆さんと共有したいと思います。

目次

Before食べログ

私の前職は、韓国大手ポータルサイトの中国支社で12年間働いていました。最初の7年間はゲームやB2B/B2Cのウェブ、アプリのテスト、QA業務をして、その後の5年間は開発部門でグローバルプロジェクトのプロジェクト管理(品質管理、進捗管理)と部門間の橋渡しを担っていました。

ISTQB Foundation Level、PMP(Project Management Professional)、PSM I(Professional Scrum Master I)の資格を保有しています。

転職のきっかけ

もともと日本文化に興味があった私は、家族と共に日本への旅行を重ねるごとに、日本の魅力をより深く感じるようになりました。 日本の伝統文化や美しい街並み、人々のおもてなしの心、礼儀正しさ、そして細やかな気配りに深い感銘を受けました。

これらの経験は、日本での生活を真剣に考えるきっかけとなりました。独学で日本語を学び、JLPT N1の資格を取得した後、私は大きな決断を下しました。仕事を辞め、家族と共に日本での留学を選択しました。 そして、一年後、ありがたいことに、食べログでの就職機会を得ることができ、新しい旅が始まりました。

食べログでの初体験

私がカカクコムに惹かれたのは「価値あるサービスを創出し続ける」という理念です。
自分の成長にとってはベストな環境だと感じました。ご縁があって食べログ飲食店QCチームの一員になったことを大変嬉しく思っております!

食べログに入って一番感銘を受けたのは、異文化への包容力や多文化共生の働く環境です。

実際に食べログで働いてみて感じた今までのキャリアとのギャップは以下の通りです。

  • 自己裁量における時間管理のしやすさ
  • こだわり
  • チームワークの重視

1.自己裁量における時間管理のしやすさ

食べログで、特に印象的だったのは、プロフェッショナルとして時間管理について個人裁量に任されており、その結果ワークライフバランスも担保されているところです。

在宅勤務やフレックスタイム制度を通じて、従業員は仕事と私生活のバランスを取ることが可能です。 仕事の透明性を高めるツールの使用により、在宅勤務でも効率的なコミュニケーションが実現しています。 加えて、毎月第2および第4水曜日の「ノー残業デイ」の導入により、より良い労働環境が提供されています。

入社して最も驚いたのは、退勤後の業務連絡が非常に少ないことでした。仕事とプライベートの境界が明確になり、これは私にとって大きな変化でした。これまでのキャリアでは、仕事とプライベートの境界があいまいで、業務時間外でも常に連絡が取れる状態が求められており、緊急でない業務連絡も頻繁に行われていました。

ただし、食べログにおいても、退勤後の業務連絡が完全にないわけではありません。緊急時の迅速な連絡体制は構築されています。 その大きな違いは、業務時間外の連絡が食べログでは常態化しておらず、緊急時の連絡手段や対応ルールがしっかりと整備され、適切に運用されている点です。

これにより、従業員の生活の質が向上し、ワークライフバランスの改善に向けた積極的な取り組みが行われていると感じます。これは私のキャリアにとって新しい経験であり、今までのキャリアとは大きく異なる点です。

2.品質管理へのこだわり

私は食べログの品質管理室の一員として、日々プロジェクトの成果物の品質保証だけに限定しない、プロセスの生産性向上も含めた品質管理への深いこだわりを感じています。

特に印象的なのは、過去のテスト案件から分析したユースケースを「観点マスター」として体系的にまとめている点です。 この膨大な資料は、さまざまなテストシナリオや条件に注目し、各ユースケースの展開を詳細に記録しています。 これにより、テスト計画を策定する際の思考を広げ、テスト観点を見落とさないようにするのに役立っています。 また、PDCAサイクル、フロー図、TPI NEXTなどを使って品質管理に取り組んでいます。

この経験から、品質管理に対する「日本人のこだわり」を深く感じています。プロジェクトの成果物だけでなく、プロセスにも注力し、持続的に品質向上を追求することです。特性要因図、Kanoモデル、Lean、Kanbanといった国際的に知られる品質管理や生産プロセス管理の手法や考え方が日本から生み出されたのではないかと考えました。

以前の職場では、開発やテストの仕方といったプロセスよりも、プロジェクトの成果物そのものを注目する傾向がありました。

3.チームワークの重視

品質管理室の飲食店QCチームでは、チームワークを重視し、個々人と組織が共に成長を目指しています。
チーム内では透明性と協力が奨励され、メンバーの多様な視点とスキルが活かされています。

私たちのチームでは、日々の業務を活発かつ楽しいものにするために、様々な取り組みを実施しています。例えば、毎日異なるメンバーがミーティングの主催を担当し、全員が積極的に関与することで、チーム内のコミュニケーションが促進されます。ミーティング中の「アイスブレイクタイム」は、リラックスした雰囲気で自由に意見交換を行い、チームの絆を深める時間です。さらに、「褒める文化」を大切にし、成功事例や小さな成果でも積極的にメンバーを称賛することで、ポジティブな雰囲気を育て、モチベーションを向上させています。意思決定プロセスでは、これら多角的な意見が組み合わされ、最適な解決策が導き出されています。

このような環境は、メンバーの自信を高め、新しいアイデアや意見を積極的に提案することを促進します。全体として、このような取り組みはチームの問題解決能力を高め、ストレスの軽減、知識の共有、信頼関係の構築にも貢献しています。

以前所属していたチームでは、従業員の個人の自立性と責任感が重視されていました。全体の議論の後、最終的な決定権を持つ責任者が決断を下し、プロジェクトの進行に責任を持っていました。このようなコミュニケーションスタイルは、時に衝突を生むこともありましたが、その過程で他者の考えや動機を理解する機会となりました。ただそれだけでなく、チームワークの協力を促進するために、360度評価制度(会社全員から評価可能)を導入していました。

どちらのチームでもチームワークと個々人の責任は重要ですが、以前の職場では個人の責任がより強調されていたと感じています。

品質管理に対する考え

品質管理(Quality Management)は、よく品質保証(Quality Assurance)のようにバグを見つけるための作業として誤解されています。 ですが、今までのキャリアを通じて実はそれ以上の重要な役割を担っていることを私は学びました。

以前の部署ではバグを見つけるだけでなく、ユーザーエクスペリエンス向上を目的とした機能提案の役割も担っていました。たとえば、ユーザーインターフェースの改善、操作性の向上、新機能の導入、第三者システムへの依存度を下げるための代替案など、様々な提案や企画にも参加しました。これらの提案は、開発者や企画部門との協力を通じて実施され、ユーザーの使いやすさや満足度を高めることができました。

また食べログの品質管理室の仕事を通じて、プロセスの生産性改善の役割についても深く学んでいます。単に成果物を出すだけでなく、プロセスの生産性改善に深く注力し、品質を各段階で確保すること、リスクを最小限に抑えることです。常にユーザーの環境に最も近づくために尽力し、ユーザーフィードバックをリアルタイムで取り入れ、効率的な作業フローを構築し、手戻りを減らす取り組みを続けています。このようなプロセスへの注力により、食べログのユーザーエクスペリエンスを向上させるだけでなく、組織全体の品質管理水準の向上にも寄与すると確信しています。

今後もこの学びを活かし、チームメンバーと共にさらなる品質向上に貢献していくことを楽しみにしています。

今後の展望

将来に対する私の展望は、品質管理分野での成長と、プロジェクトの成功に寄与したいと思います。

持続的な学習と市場および技術の変化への適応を通じて、製品とサービスがユーザーの要求を満たし、市場で差別化を図ることを目指します。

PM、開発者、企画、デザイナー、運用と協力し、価値創造者としての地位を確立したいと考えています。

最後に

食べログは外国人にも適した就職先だと実感しています!

興味のある皆さん、特に外国出身の方々、私たちと一緒にサービスを創り上げてみませんか?

未来には様々な挑戦と機会が待っており、チームと共にこれらを達成し、その過程を一緒に楽しむことを心から待ち望んでいます!!!