Tabelog Tech Blog

食べログの開発者による技術ブログです

「Software Design 2023年12月号」に食べログのChatGPT特集を寄稿しました

食べログのメディア領域でサービス開発のエンジニアリングマネージャーをしている関戸です。

2023年11月17日(金)発売のSoftware Design 2023年12月号にて、ChatGPT特集の記事を寄稿しました。1つの特集をすべて食べログが担当し、3章構成で合計26ページの寄稿となりました。本記事では、寄稿のきっかけと記事の概要、おすすめポイントをご紹介します。

ChatGPTをはじめとした生成AIの企業における活用の概論を踏まえた上で、食べログで事業活用を進める中で得られた学びやノウハウをお伝えする内容になっています。

表紙

本寄稿のきっかけ

ChatGPTに対する関心が高まる中で、食べログChatGPTプラグインについてのプレスリリースやTech Blog記事を見てお声がけいただきました。

はじめは食べログChatGPTプラグインを軸とした内容の想定でしたが、食べログiOSアプリへのAIチャット検索機能の試験実装や、社内の文書生成業務における生成AI活用など、食べログでは幅広くChatGPTの活用を進めているため、ChatGPT特集として記事を寄稿させていただくことになりました。

本寄稿について

本寄稿では3章構成としています。

  • 第1章:企業における生成AI活用の考え方〜ChatGPTのしくみと活用事例を紹介
  • 第2章:食べログChatGPTプラグインの開発とサービスリリース〜開発、プロンプトチューニング、社内調整のコツ
  • 第3章:食べログAIチャット(β)の開発とサービスリリース〜生成AIを活用した機能やサービスの開発に必要な取り組みとは?

第1章では、ChatGPTの技術的な仕組みを踏まえた上で、事業会社において生成AIを活用していくための基本的な考え方と食べログでの事例について解説しています。ChatGPTの動きは目まぐるしく、2023年11月6日に開催されたOpenAI DevDayでも大幅な機能アップデートが行われましたが、本章では陳腐化しない仕組みや考え方を中心に取り上げており、今後も通用する内容となっています。企業での活用を推進する上で押さえておきたいポイントが詰まっていますので、ぜひ見ていただければ幸いです。

第2章では、多くのメディアでも取り上げていただいた食べログChatGPTプラグインの開発とリリースの詳細について解説しています。プラグインマニフェストの実際のコードの紹介や、Tech Blog記事ではそこまで深く掘り下げていなかった調整やプロンプトチューニングの詳細にも触れており、Tech Blog記事を読んだ人にもおすすめできる内容となっています。

第3章では、食べログAIチャット(β)を事例として、AIチャット機能の開発とリリース後の評価について解説しています。AIチャット機能を実現する上でのシステム的な処理の流れや使用技術だけでなく、コスト管理やレート制限、ユーザー行動の計測などサービスリリースにあたって考慮が必要な点について取り上げています。また、サービスリリースした結果への評価など実践を踏まえて、生成AIの活用への向き合い方についての学びをまとめていますので、ひとつのノウハウとして参考にしていただけると思います。

おわりに

生成AIのトレンドは日々変化しており、その活用の幅も広がってきています。ただ、その活用の目的は、事業活用でいえば「自社プロダクトの価値を高める」ことを通して、「ユーザーに価値を感じていただく」ことに変わりはありません。

食べログの取り組みの紹介にとどまらないように一般的なノウハウとして書き起こしています。開発知識だけでなく、ユーザー価値の実現に向けた試行錯誤のノウハウが詰まった内容となっていますので、ぜひ目を通していただければ幸いです。