この記事は 食べログアドベントカレンダー2023 の9日目の記事です🎅🎄
こんにちは。
食べログシステム本部 飲食店システム開発部 サービス開発チームで「食べログ求人」というサービスの開発を行なっている@itayaです。
本日は「セルフ振り返り」という自己成長のための取り組みについてお話ししたいと思います。
セルフ振り返りとは?
セルフ振り返りとは文字通り過ぎますが「自分の振り返り」をすることです。
(※一般的には「セルフリフレクション(内省)」と呼ばれています。)
今時のエンジニアチームでは頻度はそれぞれだと思いますが振り返りをしていないチームはあまりないと思います。
ただ、「自分の振り返り」を行っている方はあまりいないのではないでしょうか?
そこで、今回はセルフ振り返りを行うメリットや具体的なやり方、実施する上でのポイント、またエンジニアの業務に当てはめた実例についてを紹介したいと思います。
なぜ私がセルフ振り返りを始めたのか?
詳しい説明をする前になぜ私がセルフ振り返りを始めたのかという部分について少しだけ話をさせてもらいます。
私も半年前までは、セルフ振り返りというものは行っていませんでした。
そんな私がセルフ振り返りを行おうと思ったのは「失敗の科学」という本を読み触発されたからです。
書籍の内容について説明することはここでは割愛させてもらいますが、本には
- 普段人間がいかに失敗と向き合っていないか
- 失敗と向き合うことがどれだけ有益か
ということが書かれており、私も失敗と向き合いたいと思うようになりました。
そしてその向き合い方として一番自分の中でしっくりきたのが「セルフ振り返り」でした。
セルフ振り返りのメリット
セルフ振り返りをやるメリットとしては以下の3つが挙げられると考えています。
- 自分の変化を楽しめる
- 失敗に対してポジティブになれる
- アクションを考え、実行する癖がつく
自分の変化を楽しめる
上記で記載したように、セルフ振り返りでは次のアクションまで決めて行動に移します。
その結果がうまくいってもいかなくてもそこには行動しなかった自分とは違う自分が待っています。
この変化をぜひ味わっていただきたいです。
また、振り返りの記録を見返した際にこの時から結構変わったなということも実感できると思います。
失敗に対してポジティブになれる
具体的にアクションを行い改善がされる体験を積んでいくことで、何か問題や失敗に出会った時「失敗しちゃったどうしよう」というネガティブな捉え方ではなく「これどうやって改善しようかな?」という次を見越した気持ちになれます。
これは、ただのマインドだけでは切り替えるのが難しいポイントでセルフ振り返りによって改善する様子を自分で実感することでそのようなマインドチェンジが可能になります。
アクションを考え、実行する癖がつく
これはチームでの振り返りなどをした際に生きてくるポイントです。
チームで振り返りをした際に、問題はいっぱい出たが次どうするかがふわっとしたまま振り返りが終わってしまうことや、アクションを考えたがなかなか実行されないことはよくあることです。
ただ、セルフ振り返りで日頃から考え、実行している人はこれらのことにも対応することができます。
セルフ振り返りのやり方
ここからはセルフ振り返りの具体的なやり方について説明します。
実施するタイミング
実施するタイミングは、終業の前10分がおすすめです。
理由は、その日1日のことについて振り返りをするので終業時間の付近に行うことで頭の中を整理できるからです。
また、日付を跨いでしまうと忘れてしまうこともあったりするのでその日中に行うことを強くお勧めします。
使用するもの
セルフ振り返りは下に記載する事柄が書き出せれば良いので特にツールの縛りなどはありません。
ただ、個人的にMiroというツールがおすすめです。
理由は、無料でマインドマップを書くことができるからです。セルフ振り返りでは思考の発散と掘り下げを両方行うのですが、それをする上でマインドマップはとても相性が良いです。そのマインドマップがMiroでは無料で使うことができるので個人的には使うことをお勧めします。
進め方
セルフ振り返りを行う手法に制限はありませんが、個人的にはKPTの手法をお勧めしています。
理由は振り返りの手法としてもよく知られており、1日の自分を振り返る上で相性が良いからです。
KPTという手法を知らないとよいう方もいらっしゃると思いますが、知らなくても大丈夫なようにここからの解説は書いてあるのでご安心ください。
Keepを書き出す(3分)
まず、最初にその日1日を振り返って「うまくいったことや継続すること(Keep)」を書き出します。
「設計が予定通りに完了した」や「この人とうまく話せた」などどんなに些細なことでも構いません積極的に書き出しましょう。
また、自分の行動だけでなく人がやっていたことで良かったことなどもあったら書き出しましょう。
Problemを書き出す(3分)
次に、その日1日を振り返って「うまくいかなかったことや改善点(Problem)」を書き出します。
「今日終えるはずのタスクが終わらなかった」「いつもやっているこの手順が手間に感じている」など、いつも行っているが疑問を感じていることなども書き出しましょう。
また、「これは会社の決まりだから」と一線引いてしまっているものも一旦書き出してみると良いでしょう。
Tryを決める(4分)
最後に、上記で出たProblemに対して「具体的なアクション(Try)」を書き出します。
「タスク管理の方法を変えてみる」「手順を一度資料としてまとめてみる」など、私が思いつく範囲で構わないのでより具体的なものを書き出しましょう。
可能であれば、明日から実践できるようなものが望ましいです。
これらを行うことでその日1日を振り返った上で、では次にどう行動するかという部分まで落とし込むことができます。
実際に行ったセルフ振り返りの紹介
皆さんがイメージしやすいように実際に行っているセルフ振り返りの様子をお伝えしたいと思います。
上記は実際に行ったとある日の振り返りの様子です。
この日感じでいた課題は3つでした。
- 💭Pull RequestのレビューでRubyの基礎的な部分の指摘を受けてしまう
- 💭チームを移動したばかりで、リリースするまでの承認フローに慣れることができずissue回しに苦戦していた
- 💭複数のプロジェクトを行き来して開発を行っていたが、その切り替えに時間がかかってしまっていた
そして、それぞれの課題について具体的にどうアクションするかを考えました。
- 💭Pull RequestのレビューでRubyの基礎的な部分の指摘を受けてしまう
- ✅2度同じ指摘は受けないように指摘を受けた箇所はメモを残し確認する。
- 💭チームを移動したばかりで、リリースするまでの承認フローに慣れることができずissue回しに苦戦していた
- ✅承認フローについて自分なりにまとめてそれを見れば迷わないようにする。
- 💭複数のプロジェクトを行き来して開発を行っていたが、その切り替えに時間がかかってしまっていた
- ✅他のチームメンバーがどのようにプロジェクト切り替えを行っているのか確認することでいい方法を模索する。
1個1個についてみて貰えばわかるように、当たり前の解決策しか出していません。
しかし、2個目でまとめた承認フローについては今も活用していてそれによってissue回しを失敗することは無くなりましたし、3個目でチームメンバーに聞いたプロジェクト切り替えコマンドは今では当たり前のように使っているコマンドになっています。
セルフ振り返りをする上でのポイント
私が実際に行った際に意識しているポイントは以下のものです。
- Keepはたくさん書く
- Problemで上がったものに関しては具体的なアクションまで考える
Keepはたくさん書く
振り返りの目的はもちろん改善点を見つけることなのですが、振り返りをするたびに自分のできなかった部分や失敗した部分だけ見つめていたら気が滅入ってしまいます。
そのため、些細でも良いのでできたことや成功したことはたくさん書いて自分を褒めてあげましょう。
そうすることで振り返り自体が楽しくなりモチベーションを上げることができます。
※チームの振り返りでもこれは意識してあげるとどんよりとした振り返りを避けることができるでしょう。
Problemで上がったものに関しては具体的なアクションまで考える
こちらも大事なことでして、これがよくなかったなぁと思うだけでは改善はされません。
きちんとそれを解決するためのアクションを考えて実行に移しましょう。
そうしないと毎日同じProblemを書くことになってしまいます。
そんなに簡単に次のアクションなんて思いつかないという方向けに私が実際に考えたアクションを例として紹介します。
- 💭開発に使える時間が少ない
- 原因:ミーティングの合間の時間が活用できていない。次何するんだっけ?思い出す時間等が多い
- ✅アクション:asanaで1週間分のタスク・MTGを1時間ごとに分割して迷わないようにする
- 原因:ミーティングの合間の時間が活用できていない。次何するんだっけ?思い出す時間等が多い
- 💭今日予定していたタスクが終わらなかった
- 原因:調査タスクをズルズル行っていて時間がなくなってしまっていた
- ✅アクション:調査のタスクで時間を取りすぎていたので調査系タスクはちゃんと時間を決める
- 原因:調査タスクをズルズル行っていて時間がなくなってしまっていた
- 💭機能開発が順調に進まなかった
- 原因:タスクの単位がOO機能の開発といった具合に大きすぎた
- ✅アクション:タスクを画面単位やAPI単位に区切る
- 原因:タスクの単位がOO機能の開発といった具合に大きすぎた
- 💭資格の勉強が進まない
- 原因: 時間がちゃんと確保できていない
- ✅アクション: 始業前の一時間を資格の勉強に当てる
- 原因: 時間がちゃんと確保できていない
どれも特殊なアクションではないと思います。
こういった誰でも思いつくようなアクションでよいので考えて行動に移しましょう。
まとめ
セルフ振り返りの魅力ややり方について伝わったでしょうか?
明日から実践可能な内容となっているのでぜひ日頃の自分を変えたい、そう思っている方はこのセルフ振り返りを行って自分を磨き上げましょう!
明日は 相馬さん の「社会人1年目の反省、技術的な話よりも前の話」です。お楽しみに!