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新米パパ、産後パパ育休を取る

この記事は 食べログアドベントカレンダー2023 の8日目の記事です。

こんにちは。食べログでサーバーサイドエンジニアをやっている @4palace です。 カカクコムに在籍して早いものでもう5年目、30代後半となりました。リーダー業務もやっています。

カカクコムでは、女性はもちろんのこと、男性で育児休業を選択する人も多く、 私の所属する食べログシステム本部でも多くのパパエンジニアが育児休業を取得しています。
昨年のアドベントカレンダーでも、 @araiguma47 さんの 「新米パパ、育休を取る」 にて、新米パパが育休を取得した際の体験談を記事にしていました。

私も今年の4月、初めての子どもが産まれたのですが、その際に昨年10月から制度が始まった「産後パパ育休制度(出生時育児休業)」を利用しました。
せっかく新しい制度ですので、実際に制度を利用した立場として、よかったこと、気づいたことなどを記事にしていきます。

※ 働き方などに関するカカクコムのデータに興味がある方は データで見るカカクコム を参照ください。

子どもが産まれるぞ!育休どうしよう?

私は育休の取得は妻の妊娠が発覚した当初から考えていました。理由は特に以下2点です。

  • 周りの話を聞くに子育ては日々大変らしい
  • 産後すぐは特にサポートが必要らしい

一方で、大丈夫かな?という不安もありました。
育休中は健保から育児休業給付金が出るとはいえ、支給タイミングはズレがあるので間が空くことによる経済的な不安もありました。
また、長期間仕事から離れて大丈夫かな、という業務面の心配もあり、長く仕事を離れることには抵抗がありました。

そんな時、2022年10月に施行開始されたばかりの 「産後パパ育休制度(出生時育児休業)」 についてニュースでの報道がありました。
この制度を使うことで短期の育休となるため、上記の心配事に対する不安がいくぶん解消されました。
夫婦で相談し、これを申請することに決めました。

報告・相談・引き継ぎなど

上司には妻が安定期に入ったころぐらいに相談しました。
長期的な採用計画やチームの人員構成などを見直す必要がある場合も考えて、早めに相談すると良いでしょう。

育休に入る前は、業務をキリのいいところで終わらせられるか、そうでなければいかにして引き継ぐかを考えつつ進めます。
案件が綺麗に終わればスマートですが、そう上手くいかないこともあります。万が一に備えて引き継ぎ準備は進めていきましょう。

引き継ぎのポイントは「自分しか知らない/できない知識を小さく分解してまとめる」ことでした。
口頭で伝えることだけでなく、あとからドキュメントを見直ししてもわかるようにすることを意識しました。
また、私だけしか知らない情報が増えないように、隠すべきでないことであれば、なるべくオープンな場で会話するように心がけました。

何より大事なのは、不在時に仕事を引き継いでくれる仲間の皆さんへの感謝の心です🙇
後から情報を渡されて「何もわからない…」とならないように、思いやりの心をもって引き継ぎしましょう。

とはいえ、私は1ヶ月の産後パパ育休だったので引き継ぎ作業内容自体は軽かったと思われます。 これは期間の短い産後パパ育休制度のメリットでした。

いざ育休へ!初めての子育て

引き継ぎが終わって育休に入ります!

出産直後の母親の身体は多くのダメージを受けていると言われており、「できるだけ体を休めて」「身の回りのことは全てやってもらって」と聞いていたので、
産後すぐの父親はその分動き回る必要があり、とてもやることが多いです!
行政などの手続き/各所連絡/産院とのやりとり/迎え入れの準備。
家に子どもがやってきたら 授乳サポート/オムツ対応/沐浴だけでなく、育児グッズの調達。
産後すぐ動けない妻のケアなど、多岐にわたってタスクてんこ盛りです。
我が家は母乳からミルクへの切り替えも比較的早かったので、私がミルクをあげることも多かったです。
わが子は可愛いですが、とてもハードで「こりゃとても『休み』じゃないな…」と感じたことを今でも覚えています。

深夜に起きてミルクをあげることも、泣いた我が子をなだめるために長時間抱き続けることも、頻繁なオムツ替えも、慣れてくるまではどっと疲れます。
特に1ヶ月は授乳間隔も短く、深夜対応も多くなりますので、睡眠時間も削られるハードな期間となります。

でも、我が子は可愛い! これは真理です。

育休中の会社とのやりとり

期間も短かったため、育休期間中の会社との連絡はほぼありませんでした。
人事/総務部と出産日の確定の連絡や、産後すぐ提出が必要な資料のやりとりをしたぐらいでした。

育休からの復帰

育休からの復帰は比較的スムーズで、キャッチアップにそう時間はかかりませんでした。
1ヶ月という短期であったことで、大きな知識ギャップなどが発生しなかったことはよかったです。
この点も短期であることのメリットかなと感じました。

育休復帰後の子育てとの関わり

当然ですが、子育ては育休期間だけのものではありません。
早く仕事に復帰したとはいえ、子育てにできるだけ主体的に関わっていきましょう。(手伝うではなく、自分ごととして考えましょう!)

子どもが生まれる前と比べ、残業せず業務がやり切れるか、前にも増して気にするようになりました。
夕食作りをすることも多いうえ、子供をお風呂に入れる仕事は私の担当ですので、遅くなりすぎると子どもの入浴/就寝がそのまま後にスライドしてしまいます。
また、子どもが体調不良などになって急にお休みとなる可能性もあり、計画的な休みが取れないことも想定されます。

定時内にどう業務を進めるか?リスクに備えて進捗を公開/共有しつつ進めるなど、
業務の進め方の意識改革が必要だなと感じています。

育児と男性の関わり方

食べログでは育休に入る男性社員も一般的で、ついつい忘れがちなのですが、社会ではまだまだなのかなと感じました。
4ヶ月検診では都合により、ひとりで子どもを連れて検診に行きました。
そこで他のお子さんの親御さんを見る機会があったのですが、夫婦共同参加はあっても、男性だけの参加はいませんでした。
(女性のみ/母親のみのケースはいましたが、男性のみ/父親のみは他になし) 保健師さんと話をすると、「お父さんが育休取る、ってすばらしいですね!」と言われるほどでした。

これが当たり前、と言われる社会になるといいのにな、と思った経験です。
と同時に、しっかりと制度を拡充しているカカクコムはありがたいなぁと感じました。

産後パパ育休をとってみてどうだったか?

あくまで個人的な意見で、全ての人がそうだとは限りませんが、 私の経験を振り返ると、育休は「間違いなくとった方が良い」と感じました。 産後パパ育休に限っていえば、長期の育休に二の足を踏んでしまう方におすすめです。

産後パパ育休をとってよかった点

  • 産後すぐの家族をフォローできる。自由に動ける人員が1人いるだけで大きく変わります。
  • 子育ての1日の流れを体感できる。1人で子どもを見るときも焦らなくなります。
  • 経済的不安が少ない。(長期の育休と比べて)
  • 業務の属人化を防ぐきっかけになる。引き継ぎを念頭におくことで、業務について改めて見直せます
  • 妻に感謝される。
  • 他の子育て世帯に優しくなれる(大変そうだな…とわかります)

今から考えても、産後すぐの多忙さは、仕事しながらは無理です。
その「大変だ」ということと、「どの程度大変なのか」ということを体験したことがかなり大きい経験でした。

今になって考えれば、親になる、という新しい仕事を受け入れるための研修期間のようでした。
我が家では、子育てをまとめるLINEグループを「新メンバー参画プロジェクト」と呼んでいて、これって仕事だなぁ、と感じることも多かったです。
親になる経験はふたりとも初めてですし、親としてしっかりと学べる貴重な1ヶ月でした。

そして、1日のルーティンを学ぶことができたので、ふたりとも相手に聞いて回らず主体的にできるようになったことが大きいです。

おわりに

1ヶ月以上の育休でしっかり育児したい!という考え方もありますし、どちらが正しい、などはないでしょう。
一方で、長期はちょっと経済的に不安だなぁ、育休どうしようかなぁ、という私のような人間に対して、短期育休(産後パパ育休)という制度はとても有意義でした。
私たち家族にとっては、離職期間を短く抑えられたことで経済的な不安も減ったことがいい方向に働いたと感じました。

それぞれの家族/ライフスタイルに合わせて、選択できる育児休業の制度が増えたことは良いことですね!

明日は@itaya の「セルフ振り返りで己を磨き上げろ!」です。お楽しみに!