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TDD道場破りやってみた#3 〜初めての道場破りで得られたもの〜【Tabelog Developer Dojo】

はじめまして、食べログでSET(Software Engineer in Test)をしているhagevvashiです。本記事では私が所属する食べログのエンジニアコミュニティであるTabelog Developer Dojo(以後TDDとします)の取り組みについての連載 3 記事目として「XP祭り」に参加・登壇した背景やこの活動で得られたものについて紹介します。

TDDや、TDD道場破りについては以下の過去記事をご参照ください。

■過去記事:

目次

TDD道場破りとは

「TDD道場破り」の活動の目的は社外勉強会に参加・登壇することが当たり前になる世界を作ることです。食べログでは社外勉強会の参加・登壇をしたことがないメンバーが少なからずいます。社外勉強会に参加・登壇をしたことがないメンバーにとって社外エンジニアコミュニティに参加することは、過去の自分自身の経験からしてもハードルが高いと思います。このハードルが高く感じられてしまって社外エンジニアコミュニティに参加するための一歩が中々踏み出せない状態はTDDにとっての「壁」でした。

TDD道場破り企画の具体的なアクションとしてのXP祭りへの参加・登壇

このTDD道場破りの具体的なターゲットとして「XP祭り」を選びました。XP祭りへの参加・登壇を通して、「やってみたら楽しかった」、「学びが沢山あった」、「案外できるんだな」という感触を TDD として持つことができたら勝ちだと考えました。

※XP祭りは20年以上の歴史がある日本最大級のアジャイル開発に関するカンファレンスです。詳しくは連載1記事目を御覧ください。

壁の壊し方

私はTDD立ち上げ前に個人的に外部勉強会に登壇したり社外エンジニアコミュニティに参加する活動をしていました。

初参加や初登壇へのハードルを大幅に下げるため、この間に経験した外部勉強会への参加や登壇についてのノウハウを積極的に共有し働きかけました。

1. 社外エンジニアコミュニティとのつながりを身近に感じられるような取り組み

まずは、私が関わっているいくつかの社外エンジニアコミュニティのエピソードをTDDのメンバーに紹介しました。社外エンジニアコミュニティ参加に対する壁を壊すためには社外エンジニアコミュニティが身近に感じられるようにしたり、実際にどんな人がどんなことをやっているのか把握することが重要です。私はDevOpsDays Tokyoという日本最大のDevOpsに関するカンファレンスやスクラムフェス神奈川という地域に根ざしたアジャイルコミュニティの実行委員をやっています。この実行委員での打ち合わせで面白かった内容や懇親会でカラオケに行ったエピソードを紹介しました。また私は日頃からスクラムフェスやJaSST、JSConf JPなど様々な勉強会に参加しているので、その勉強会で情報交換した内容や新たに得られたつながりをTDDのメンバーに共有しました。

2. 業界のすごい人と直接話す機会の提供

業界で様々な実績を残した著名な方と直接話せる機会があると、社外に一歩踏み出す勇気が湧いてきます。そこで、川口恭伸さんというスクラム研修、カンファレンス運営、本の執筆などを通して日本でのアジャイルの普及に貢献されている社外の方とTDDメンバーとのオンラインランチ会を開催しました。キャリアについてのディスカッションやアンテナを高くするコツや引き出しを増やすコツ、長く続く勉強会運営の話など様々なトピックを話すことができたので、TDDメンバーのエンカレッジにつながりました。ちなみに川口さんは、食べログ品質管理室の荻野と一緒に前職でTechTalk(リンク1, リンク2)という社内勉強会を盛り上げたという仲なので、ちょっと相談してみたという流れでランチが開催されました。

3. 初登壇や初参加者へのサポート

今回社外勉強会自体に参加したことがないメンバーや、登壇に不慣れなメンバーに対して私が外部勉強会で登壇してきたノウハウや社外エンジニアコミュニティで得られたつながりを使ってサポートをしました。そのサポートとは、登壇者の不安を取り除くことと、参加者がより楽しめるようにすることです。登壇者の不安を取り除くために、XP祭りの実行委員に事前に登壇時に使用するツールや登壇者向けの公式アナウンスの時期や方法について確認したり、会社PCでのツールの使い方の注意点の共有をしたりしました。登壇者の不安を取り除くことで登壇者が発表に集中できるようになりました。また、参加者がより楽しめるようにするために、XP祭りのセッションの中でDiscordのチャットを盛り上げている方や登壇者の方についてTDDメンバーに紹介しました。この紹介から発表や発言のコンテキストを知ることができセッションの理解が深まるので、また社外勉強会に参加したいと思ってもらうことが狙いです。

結果

壁を壊すことにより次のような形でXP祭りの参加・登壇ができました。

  • 参加人数: 10人(オフライン7人, オンライン3人)
  • LT大会登壇者: 2人(hagevvashi、araiguma47)
  • Tech Blog公開: 3記事の連載形式でリリースすることが決定。本記事にてすべてリリース完了。

LT大会登壇: araiguma47

この発表は TDD の今までの活動を Fearless Change本 の実践という形で紹介した内容になっています。Fearless Change の事例として冒頭で紹介した TDD 立ち上げの記事 と合わせて読んでいただくとより理解が深まると思います。araiguma47 は普段から外部勉強会で登壇したりしているわけではないのですが、今回私と一緒にLT大会に登壇申し込みをしてくれて「壁を壊す」というところに一番効いた実績になりました。

LT大会登壇: hagevvashi

この発表では私が SET チームで苦戦したチームでの開発プロセスについて、ミスコミュニケーションをユーザーストーリーを用いて解決したエピソードを紹介しています。タイトルからわかる通りネタに走ったところが多い発表でしたがそこそこウケていたようで、XP祭りというイベントの懐の広さを感じることができました。

振り返り

今回のTDD道場破りの1企画であるXP祭りへの参加・登壇について Fun!Done!Learn! のフレームワークを用いて振り返りを実施しました。Miro を用いてオンラインで実施したので、付箋をピックアップしていきます。

  • LT発表
  • 登壇誘って
  • TDD社外デビュー
  • 初めての勉強会

TDD社外デビューしたという付箋や、初めて勉強会に参加したという付箋、誰かに誘って貰えれば登壇しやすそうとという付箋など、外部勉強会への参加や登壇が参加前に比べて身近に感じられていることが分かりました。

今後の展望

XP祭りへの参加はTDDメンバーの家でみんなで飲みながら参加するという形になりました。

XP祭りに集まったメンバーで、オンラインでの参加申込をしたのですが、
「せっかくなら現地参加したかった」というメンバーの声があり、
リモート参加と現地参加、両方の良い所を実現できる参加の形がないか、TDD道場破りの参加メンバーで考えました。

TDD道場破りやってみた#2 〜オンライン時代の新しい形の勉強会とは〜【Tabelog Developer Dojo】より引用

新しい形の勉強会 参加の経緯やその詳細についてはこちらの記事を御覧ください。

この取り組みについてはコミュニティからよいフィードバックをもらうことができました。

TDDの次のステップはTDDのメンバーを中心とした食べログの開発者が社外のエンジニアと深い関係性を構築することです。深い関係性とは勉強会で会った時に自然と会話が生まれる関係性を指しています。この関係性が築けると、クローズドな勉強会の情報を知ることができたり、クローズドなslackコミュニティに入って最新の情報を知ることができたり、社外勉強会に誘ったり誘われやすくなったり、その関係性をもとに新しいつながりが生まれやすくなったりします。社外エンジニアコミュニティと深くつながることで、社外から仕入れる情報の質や頻度が向上し社外への情報の発信もますます活発になると考えています。深い関係性を築くために、オフライン勉強会に参加したり他社と勉強会のコラボ企画をしたり今後もどんどんやっていきます。興味を持っていただける方がいたら是非一緒に企画しましょう。

最後に

食べログではエンジニアを募集しています。
もし、食べログにご興味を持っていただけた方は是非下記の採用情報ページをチェックしてみて下さい!

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!