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持続可能な開発組織に必要な文化 6選

この記事は 食べログアドベントカレンダー2023 の18日目の記事です🎅🎄

こんにちは。食べログシステム本部 アプリ開発部で部長をしている @sato-tatsuaki-biz です。

本記事を書くきっかけとなったのは、4月に担当する部が変わり、部長が変わっても混乱なく成果を出していける組織というのは改めて良いものだと感じたことです。「持続可能」 この言葉が一番しっくりきただけですので、巷のSDGsと比較せず軽い気持ちで読んでいただけたら幸いです。

目次

ここでいう持続可能な開発組織とは

持続可能な開発組織とは、期待している成果を出し続けられる組織のことで売上/事業に貢献することを期待しています。

売上/事業に貢献できる開発組織とはどのような組織なのか。

1. ⚪︎⚪︎%成長を意識し、結果を出し続けている

作るだけではなくビジネスを考えられる開発組織です。エンジニアがどこまでやるかは問いませんが、企画職やデザイナー職と議論するべきだと考えています。ただし、全て議論すればいいというわけではなく難易度や規模に応じて柔軟に動くことが好ましいです。

2. 利益に直結する開発を続けられている

バージョンアップやリファクタリング、運用、インフラ保守など、やらなければいけないものが増えすぎて利益を上げるための開発が立ち行かなくならないようにするということです。裏を返せばそれらのことをしっかりとやっていて、余計な負債や工数を作らない状態でもあります。

3. 人材が充足している、人材が成長し続けている

必要最低限の人数+リスク予防ぐらいが丁度よく、安定して流入してくることも大事です。

持続可能な状態にするために

いくつかの著名な本やメディアの記事でもさまざまな組織論や方法が紹介されています。コロナ禍によるリモート、働き方改革、Googleによって注目された心理的安全性、褒める文化など、ここ数年を振り返り環境や流行が変化していると感じざるを得ません。その上で食べログ組織に特化した話ではなく、個人的に持続可能に優先的であると思われる文化をまとめてみました。

なぜ文化なのかというと、強制力が発動しなくとも維持、発展していく状態、つまり、ある程度自走している状態でそれを実現するのは人であり文化だからです。そして、方法や手段は時流に合わせて変えていくべきものであり言及はしません。

1. 事業/部/チームの方針や進捗を理解している

これは何度も聞いていると思いますが非常に大事なことです。一度に全員が理解することはもちろん難しいですが、理解すべき立場の人が理解し判断基準として用いることでメンバーにも波及していくことが望まれます。

2. ドメイン知識を重要視している

優先度が低く重要視されにくいのがドメイン知識です。これがなくてもなんとなく作ることはできます。ただ、サービス開発を行う上では非常に重要なものであり、成果予想や品質、スムーズなコミュニケーションにつながります。

例えば、「ハワイでホームパーティができる家を建ててほしい」と依頼したら「ハワイは暑いのかい?寒いのかい?」と質問されました。さすがに頼まないでしょうし、頼むとしても説明に時間がかかります。

3. 最終的に大きな成果を上げることを意識している

小さいリリースを行うことは素敵なことですが、エンジニアの目線からだと「目の前の開発をバグなく早くリリースする」に行きがちです。大きい成果を出すことを考えるのは難しいですが成長につながります。もちろん、大きくリリースするべきというわけではなく、成果を出すまでのストーリーを理解し、その上で適切な大きさのリリースを繰り返していけると生産性や品質の向上につながるでしょう。

4. 不確実なことにチャレンジしている

不確実なことを責任を持って成し遂げようとする気持ちは勇気のあることであり難しいことですが、チャレンジ精神を根付かせます。指示命令が不確実性に立ち向かうトリガーではいけません。

5. お互いを尊重し信頼関係を築いている

信頼関係は非常に重要です。ただ、話す時間だけ増やしても信頼関係が構築できるとは限りません。相性もあります。全員と信頼関係を築くことは難しいでしょう。しかしながら、建設的な議論をするためにも相手のミッションや役割を理解することが大事です。

もう1つは多様性の尊重です。マネジメントする人は身近な課題ではありますが、メンバーには少し遠い課題です。メンバー同士尊重することが大事です。

6. 建設的な議論が行われている

これが行われないとトップダウンで決める必要が出てきます。そうなると誰も幸せにならない可能性が高いので議論することは大事です。

まとめ

エンジニアリソースの不足や個々の役割に対して不足している力の習得は、持続可能を目指す限り最低限必要なことですが、文化ではなく組織課題であるため特にとりあげていません。システム上持続可能な設計も当たり前のことなので同様です。今回あげたものはどのような組織に変わろうともこれら文化が根付いている組織は持続可能に近づくのではないかと考えています。そして本来は根付かせ方まで深掘りするべきでしょうが、非常に長くなってしまいクリスマスが来てしまうのでやめておきます。

明日は @hrkmkjm の「新卒エンジニアとして書いた1年前の記事を振り返って」です。お楽しみに!

最後に

食べログアプリ開発にご興味を持っていただけた方はぜひ気軽にお声がけください! アプリのサービス開発やシステム改善をリードする役割を募集しています。カジュアル面談も大歓迎ですので、ご希望の方はフリーテキストに「カジュアル面談希望」と記載ください。